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My Dear...

 ガチャガチャという音がして、玄関のドアを開け閉めする音が続く。

「ただいまー」

 弟の帰宅を告げる声がキッチンまで届き、廊下を歩く足音が続く。

「姉さん? ただい……」

「おかえり、和也」

 私の格好を見て絶句している弟に、私はにっこりと微笑みながら出迎えの言葉を告げた。

「姉さん、その格好……」

 私の今の格好は、膝上のソックスと室内用スリッパの他には膝丈のエプロンだけ――いわゆる裸エプロンだ。

「うふふ、どう?」

 弟の視線が私に釘付けなのを確認して、くるりと回ってみせる。剥き出しの背中やアヌス、たぷたぷとゆれる胸に弟の視線が突き刺さるのが感じられる。

「いやだ、和也ったら、凄くエッチな視線よ」

「……姉さんこそ」

 弟が私を背後から抱きしめる。耳元で囁かれ、背筋がぞくぞくした。背中で感じる弟の体温とお尻に当たる固い感触に、この後の事を想像してしまう。

「……こんなに固くして」

 弟の右手がエプロン越しに私のペニスを鷲掴みにする。私は腰をよじるが、胴に回された弟の左腕が私の逃亡を阻んだ。

「んっ、ああんっ……」

 軽くつかまれたペニスを柔らかくしごかれ、私の喉から艶かしい声が漏れる。アヌスはひとりでに収縮してアナルプラグを締め上げ、そちらからの快感もまた私を責める。

 ペニスから離れた弟の手がプラグの底部を掴み、軽くこじりながら私の中から引きずり出す。注入しておいたローションが少し垂れ落ち、太ももを伝って垂れていくのが感じられる。

 アヌスを埋め尽くしていた感触が消え、私は大事な何かが欠落したような空虚さを感じた。欠落感は不安感になり、なんでもいいからそこを埋めて欲しくてたまらなくなる。

「か、和也……」

「なんだい、姉さん」

「い、意地悪しないで、お願い……」

「はっきり言ってくれないとわからないよ。それにお願いなら言い方があるだろ」

 私はリビングテーブルの上に上半身を伏せると、尻たぶを両手で掴んで割り開いた。弟の目に剥き出しのアヌスを晒し、恥も外聞もなく懇願する。

「涼子のケツマンコに、和也のおちんちん、下さい。いっぱい射精して、孕むまで種付けして下さい……」

 恥ずかしさに目をぎゅっと閉じ、どきどきしながら弟の答えを待つ。答えは言葉ではなく、行動だった。腰を掴まれ、アヌスの入り口に硬く熱い物があてがわれる。

 貫かれる瞬間の、そしてその後の体内を蹂躙される快感を思い出して、私の期待感は頂点に達する。エプロンの下でペニスがぴくぴくと震え、先端から液をこぼしているのが感じられる。

 次の瞬間への期待に埋め尽くされた思考の奥底で――『僕』が『どうしてこうなったんだろう』と呟いていた。

● ● ●

 僕が19歳の時、両親が交通事故で他界した。高校進学直前だった弟の和也を養うため、僕は大学を中退して働き始めた。幸いそこそこの遺産はあったので、あまり無理はしなくても生活していくことは出来た。

 無事に高校を卒業した弟は、一浪はしたものの医科大学に入学することが出来た。

 『どうして医大に?』と尋ねた僕に、弟は『医者って儲かるらしいからさ、兄さんにも楽をさせてあげられるし』と答えた。

 『僕のことはいいから自分のやりたいようにしろ』と言ったら、『これが俺のやりたいことなんだ』と言い返された。

『そうか……。じゃあ和也が一人前になったら、僕も安心して嫁さんでも探すかな?』

『……ああ、そうだね』

 この時は、ほんの他愛の無い冗談のつもりだった。けれどこれが弟の、そして僕のその先を決定した会話だったのだ。

● ● ●

「それじゃお先に失礼しまーす」

「あいよ、涼ちゃんお疲れー」

 挨拶をして職場を後にする。街中に店を構える、小さいが繁盛している工務店が僕の職場だ。現在、仕事をいくつか抱えているため、営業兼経理の僕も毎日残業をしている。夜の九時を過ぎ、既に空は真っ暗だ。

 歩きながら先に帰宅しているはずの弟の携帯に電話を入れ、今から帰る事を告げる。

 家のある住宅地は勤め先の有る繁華街から少し離れているのだけど、バスの乗り継ぎが悪いので、ウォーキング代わりに僕は徒歩で通勤している。十数メートルおきに街灯がともるだけの夜道を、僕は家に向かって急いだ。

 家まであと少し、というところで、後ろから自動車の音が近づいてきた。珍しいな、と思いながら道の脇により、通り過ぎるのを待つ。

 僕の横を通り過ぎようとした車――バンだった――が、急ブレーキをかけて停車する。驚いてそちらを向くと、ドアが開いて人影が三つ飛び出してきた。

 二人が僕を羽交い絞めにし、もう一人が僕の口と鼻を布切れでふさいだ。鼻にツンと来る刺激臭と共に、意識が薄れて体の力が抜けていく。

 気を失う直前、脇の下と両足を抱えられて車に運び込まれるのがわかった。一体何が起こっているのかわからず、混乱したまま僕の意識は途絶えた。

 意識が戻ったとき、僕がいたのは真っ白い壁の部屋のベッドの上だった。

 ベッドの上に寝かされ、左腕には何かの点滴のチューブが差し込まれている。奇妙なことに身体に力が入らず、殆ど目だけしか動かすことが出来ない。

 壁や床は良く見るとウレタンのような衝撃吸収剤でびっしりと覆われ、高い場所にひとつだけある窓には鉄格子がはまっていた。

 意識を失う直前の事を思い出し、自分が拉致・監禁されたことは理解できた。だけど誰がそんな事をしたのか、僕を拉致してどうしようというのかはまったく思い当たらない。うちにはとても身代金を払うような余裕は無いし、怨恨などはかった覚えが無い。それにこの部屋や点滴を見る限り、普通の誘拐のたぐいではなさそうだ。

 身動きも出来ず、状況も分からず、僕は不安感でどうにかなりそうだった。

 彼らが部屋に入ってきたのは、僕が意識を取り戻してからしばらくしてからのことだった。

 頭の方で鍵の開けられる音と、重々しい扉の開閉音がする。どうやら首が向けられないために死角になっていた方向に扉があったようだ。

「やあ、目は覚めているかね」

 ベッドの横に回り込みながらそう声をかけてきたのは、白衣をまとった中年の男性だった。

 その男性の後ろに、もうひとり白衣の男性と、看護婦の制服を着た女性が続いていた。とすると、ここは病院の中なのだろうか。

「君島君、処置を」

「はい、院長」

 君島と呼ばれた男が、看護婦が押していたワゴンから薬品のアンプルと注射器を取り上げた。透明な液体を注射器に吸い上げ、気泡を抜くのが見えた。看護婦が僕の着ていた服――病院で検査のときに着せられるような服だった――をはだけさせ、胸をアルコール脱脂綿で消毒する。何をされるのかと思っていると、僕の胸に先ほどの薬品が注射器で注入された。左右に二本ずつ、合計四本だ。

 痛みに顔をしかめる僕に、院長と呼ばれた男が声をかける。

「筋肉注射だからちと痛いと思うが、まあ我慢してくれたまえ。これから一月ほどは、毎日それを投与するからね」

 看護婦がテキパキと僕の服を戻し、点滴の輸液バッグを交換する。

 三人が部屋を出て行くとき、鍵の閉められる音が大きく響いた。どうやら外からがっちりと施錠されているらしい。

 自分が一体何をされようとしているのか、さっきの注射はなんなのか――何も分からず、僕は不安感にさいなまれた。

 自分のこととは別に心配になったのが弟のことだった。今ごろ弟は心配しているんじゃないか、等と考えてしまう。

 状況がわからず、この先どうなるかもわからず――僕は弟のことだけを考えて、ともすれば不安感に潰れそうになる心を奮い立たせた。

● ● ●

 あの夜拉致されてから、一週間が過ぎた。その間寝たきりだった僕は、さながら全身麻痺の難病でも患った病人のように介護されながら寝たきりで過ごしていた。

 看護婦による全身の清拭やマッサージ、毎日三パックずつの点滴と、胸に打たれる四本の注射。一日一回の『院長』の回診(と言っていいものかどうか)。何も出来ない単調な時間の経過に、僕は不安と焦燥で発狂しそうだった。

 僕に打たれている薬の正体がわかったのは、そんな時だった。

「ふむ、そろそろいいかな」

 胸への注射の後、僕の胸を触診、というよりは愛撫するようにまさぐっていた『院長』が言った。

「君島君、基礎処置はもういいだろう。明日からは体表の処理にかかってくれたまえ」

「はい、院長」

 言葉の意味が分からず、そのとき僕の不安は頂点に達していた。

『基礎処置って何のことだ?』『体表の処理って?』

 そんな僕の心の声が聞こえた訳でも無いのだろうけど、僕にふと目を留めた『院長』が、世間話でもするように平然と、とんでもない事を語りかけてきた。

「ああ、これかね?」

 空のアンプルを手にとって、僕の目の前にかざしながら続ける。

「これは誘導ホルモンの一種でね、乳房の発達を促す効果があるんだ。まだ本格的な発育は始まっていないが、既に基礎形成は始まっているから、後は十分な栄養を摂取し続ければ半年程度で完全に発育するはずだ」

 その瞬間には『院長』の言葉が理解できず、僕の頭は空転した。一瞬の後にその意味がわかり、衝撃が僕を襲う。

「体表の処理というのはね、全身の脱毛と毛根のレーザー処理だ。もちろん髭や陰毛もだよ」

 その説明に、僕はこいつらは僕を無理やり性転換でもさせるつもりなのだと理解した。しかし、それに続く説明は僕に更なる衝撃を与える物だった。

「ああ、君の陰茎や睾丸には手をつけないからそこは安心したまえ。ただし――」

 戸惑いと共にわずかな安堵を覚えた僕の心を、続く台詞が完全に打ちのめす。

「君の肛門のほうは女性器と同等の機能を持つように処置させてもらうからね。ああ、外科的な処置をするわけではないよ。反復刺激による快感反応の条件付け、まあ平たく言えば調教というやつだね。そういった専用の道具類と、後はちょっとした薬品を使うだけだ」

『こいつらは、僕を同性愛者に調教するつもりなのか?』『いや、身体を改造するって事は、それより悪いんじゃないか』『一体僕をどうするつもりなんだ』

 様々な思考がぐるぐると渦を巻き、不安と恐怖に僕の頭は半ば麻痺した状態だった。

「後半月もすれば身体の処置は終わる。そうしたら次の段階に移るからね」

 そう言い残して、『院長』は僕の閉じ込められている部屋を後にした。

 拉致されてから二週間目、ようやくベッドから解放される時が来た。

 点滴に混入されていた筋弛緩剤の量が減らされ、脱力したような状態ながらも、身体が自分の意思で動かせるようになる。

 とはいえ、逃げ出すことなどはとても無理な状態だ。屈強な看護士が刑務所の看守のように僕を見張っているし、病棟も嵌め殺しの二重ガラスの窓にセキュリティーロックつきの分厚い扉という、まるで患者を監禁するためのような造りだった。

 入浴のために連れて行かれた浴室で、自分の体を鏡で見せられる。

 全身の体毛を綺麗に脱毛されてしまった表皮や、皮下脂肪がついてどことなく丸くなってしまった体型――しかし一番変わってしまったのは胸だった。

 巨乳というわけではないけれど、明らかに男性とは違う女性の乳房がそこにあった。

 男性看護士に見張られながら、看護婦の指示に従って入浴する。風呂から出ると、乳液と化粧水で肌をトリートメントされた。『これから毎日これをやるのよ』と言われる。

 素裸の上にガウンとスリッパだけの格好で診察室のような部屋に連れて行かれた。そこで待っていたのは『院長』だった。

「やあ、気分はどうかね。久しぶりの入浴でさっぱりしたかな」

 にこやかに語りかけてくる『院長』を僕はにらみ返す。今日ほど、視線で人が殺せたら、と思ったことは無かった。

「……僕をどうするつもりなんです」

「説明しただろう? 君には女性に変わってもらう。いわゆるニューハーフとかシーメールと呼ばれるやつだな」

「何でそんな事を! 僕に何か恨みでもあるんですか!?」

「うん、まあ取引というやつだよ。君を男でも女でも無くしたいという人物がいてね。非常に興味深い治験が出来そうだったので、協力することにしたのさ」

「実験って……。僕をモルモットにして人体実験でもするつもりですか?」

「人聞きが悪いな。臨床試験とでも言ってくれたまえ」

 それから『院長』が得々と話したところでは、学会だか発表会だかに参加するためにヨーロッパに出かけた際に怪しげな薬の製法の記録を入手し、興味本位でその薬を再現してみたのだという。なんでも起源は古代オリエントまでさかのぼる、男性を女性に作り変えてしまう薬だそうだ。古代の神殿の神殿娼婦や中世のとある王国の姫君など、その薬で実際に女性に代わった人間の例があるのだという。

 あからさまに胡散臭い話なのだけれど、『院長』はそれらの記録が御伽噺ではなく事実だと信じているようだった。

「まあもちろん魔女の薬のように本当に男女が変わるわけではないがね。出来た薬を分析した限りでは、現在の医療においてGID(性同一性障害)や更年期障害の治療に使われる性ホルモン剤に、ある種の成長促進ホルモンを併せ持った成分だったからね」

 それだけ聞くと、女性ホルモン剤と豊胸薬か何かの混合物のような物らしいのだけど……。

「ただ、効果が良くわからない成分も複数含まれていてね。作ったはいいが臨床で効果を確かめるわけにも行かないし、どうした物かと思っていたところに今回の話が来たわけでね」

「……それで何で僕なんです」

「言っただろう。依頼人のご指名でね。彼の目的が君なのさ」

 結局、誰が何の目的で僕をこんな目に遭わせたのかは分からなかった。『院長』の方は、良く分からない薬の実験のために僕をモルモット代わりにしているだけのようだけど……。

 どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか――僕は運命を呪った。

● ● ●

 足を開いた状態で婦人科用の診察台に乗せられて手足をベルクロテープで固定され、口には自傷防止用のギャグをくわえさせられる。診療着の下に下着などは着けていないから、前に立つ男女に僕のペニスとアヌスは丸見えだ。

 寺島院長――『院長』の本名だ――と君島医師、看護婦の新井京子の三人が僕の下半身を覗きこんでいる。

 今僕のアヌスには、細長いゴム製の玩具が突き刺さっている。いわゆるアナルディルドーと言う奴だ。新井看護婦がそれをゆっくりと抜き差しし、少しずつ根元の太いところまで押し込もうとしている。

 僕の肛門とディルドーの両方には白色ワセリンがたっぷりと塗りこまれ、その潤滑効果に助けられてディルドーはスムーズに僕の体を出入りしている。

「その調子だ、新井君。万が一にも肛門裂傷などをさせないように慎重にな」

「はい、君島先生」

 二人の会話を聞きながら、僕は気持ちの悪さに吐き気を感じていた。肛門を他人に、しかもこんな玩具で弄られるなんて……。

「んっ、んぐうっ!」

 潰れたボールが連なったようなディルドーがぐっと押し込まれ、先ほどより一つ大きい球体が僕の肛門をくぐる。押し広げられっぱなしだった肛門がまた一段大きく拡げられる。本来ならしっかり閉じているはずの場所が拡がりっぱなしなせいか気持ちが落ち着かず、不安定な足場の上にいるような不安感と共に冷や汗が吹き出している。

「三センチまで挿入出来ました」

「ふむ、今日はここまでにしておこうか」

 新井看護婦の報告に寺島院長が終了を宣言した。

「はい」

 それを受け、新井看護婦が僕の後ろを犯していたディルドーを一気に引き抜いた。球体が連続的に僕の肛門を責め、僕に呻き声を上げさせる。

 器具で強引に犯され辱められながら――なぜか僕のペニスは限界まで固くなっていた。

 あれから連日の拡張調教で、僕の肛門はすっかり柔軟に広がるようになった。既に直径50ミリのディルドーを苦も無く飲み込む事が出来、少し我慢をすれば55ミリの物も挿入する事が出来る。

「ふふ、かなり柔らかくなってきたね。目標の60ミリまでもう少しだね」

 寺島院長が激しいピストン運動に晒される僕の肛門を見ながら嬉しそうに言う。相変わらずギャグを咥えさせられている僕は、もちろんそれに反論することは出来ない。

 一方無言でペニス型ディルドーを操って僕のアヌスを責めている新井看護婦は、ローションにまみれた手で僕のペニスをも攻め立てている。ペニスをしごかれる快感とアヌスを激しく突かれる感触が僕の中で入り混じり、どちらに快感を感じているのか良く分からなくなってくる。

 もちろんそれがこの行為の目的なのだと言うことは僕にもわかっている。

 アヌスをディルドーで突かれる事が気持ちいいことだと錯覚させることによって、それを快感だと感じるように条件付けしようというのだ。

 しかしそれがわかってはいても、僕は新井看護婦の巧妙な責めに屈服寸前だった。

 僕がペニスで絶頂しそうになると、新井看護婦はペニスをしごくのをやめて僕を強制的にクールダウンさせる。しばらく間をおいてから再びやんわりとペニスをしごき始め、徐々にそれを激しくしていく。もちろんその間も、アヌスはディルドーで休み無く責め続けられる。

 僕のアヌスは既に異物を挿入されても苦痛も不快感も感じることはなくなっている。たとえ心が拒んでも、肉体は刺激を与えられ続ければ慣れてしまうということなのだろう。

 ディルドーで奥を突かれて肛門をこすり上げられる事を苦痛とは感じなくなっている僕のアヌスに、その刺激を上書きするようにペニスから快感が重ねて送り込まれてくる。絶頂しそうになれば小休止し、少し落ち着いてくると再び新たな快感が送り込まれる。精神的にはまったく休まる暇が無く、僕の心は疲労の極みに追いやられた。

 好物でも食べ過ぎればお腹が苦しくなるように、無理やり与え続けられながら解放されない快感に僕のペニスは今にも破裂しそうになっている。放出を求めてペニスはびくびくと震え、それに連動するようにアヌスは痙攣してディルドーを締め付ける。いつのまにか、その感触が快感のように感じられるようになってくる。心の隅っこでは必死になってその快感を拒絶するのだけれど、疲れきった精神はもはやそれを拒絶しきるだけの力を残していなかった。

 やがてついに、肉体と精神の両方が屈服する時が来た。

 それは新井看護婦の手が僕のペニスから離れ、アヌスだけがディルドーに激しく犯されている時だった。

 ディルドーの先端が僕の奥を突いた時、ペニスがびくんと大きく震えた。

 つられるように腰が動き、わずかな自由度を最大限に使ってディルドーに内壁をこすりつける。

 ゴリゴリとこすられた部分から快感の爆発が起こり、堰を切ったそれがペニスの根元で炸裂する。

 精液が吹き出ると同時に括約筋が収縮し、ディルドーをぐっと噛み締める。

 その締め付けのせいか、それとも僕の絶頂を新井看護婦が見抜いたのか、ディルドーがピストン運動を停止してアヌスの奥にぐりぐりと押し付けられた。その部分から継続的な快感が起こり、射精が終わった後も、僕は肛門を痙攣させながら快感に腰を震えさせ続けた。

「……射精しました。ペニスには刺激を与えていないタイミングです」

「ふむ、初めての肛門絶頂(アナルアクメ)というわけだね」

 やがて絶頂の興奮から冷めた頭に、事実が重苦しくのしかかってくる。

 診察台に縛り付けられて大股開きで恥部をさらしたまま、アヌスを卑猥な玩具で貫かれて絶頂してしまった。

 絶望感が僕を襲い、いっそこのまま死んでしまいたいという考えが頭をよぎる。

 その絶望からかろうじて僕を守ってくれたのは、今ここにはいない弟の和也の存在だった。

『駄目だ駄目だ、僕がいなくなったらきっと和也が悲しむ』

『何とかして、和也のいるところに帰るんだ』

『和也もきっと僕を探している』

『今は我慢して、何とかする方法を探すんだ』

 唯一の身近な肉親である弟の顔を思い浮かべて、僕は折れそうになる心を必死で励ました。

 アヌスに異物を挿入されて絶頂する事を経験してしまった僕の肉体に、それから様々な快楽調教が施された。

 ある時は大きなプラグを挿入されたまま拘束服を着せられてベッドに縛り付けられた。

 ローターを三個入れられた上からプラグで蓋をされ、乳首の上にも一つずつローターをテープで貼り付けられる。その上で頑丈な拘束服を着せられて手足を固定され、太い拘束バンドでベッドにがっちりと拘束された。

 自傷防止用ギャグを噛まされた上に目隠しまでされ、身動き一つ出来ずに丸一日放置され、やっと開放されたときには全身は汗まみれ、そして股間は自分の精液まみれだった。

 またある時は、半円筒形の台座から太長いバイブレーターが生えたものの上に跨らされた。僕にその機械についてことさら丁寧に説明しながら寺島院長がスイッチを入れて見せると、バイブレーターが激しくうねりながらピストン動作までする。

 抵抗する僕を看護士が押さえつけ、膝を折り曲げ両腕を後ろに回した状態で革バンドで拘束した。それでも芋虫のように這いずって逃げようとする僕を看護士と君島医師が取り押さえ、新井看護婦がプラスチックシリンジでアヌスにローションを注入した。

 そうしてその固定式バイブに跨らされた僕に首輪がつけられ、三本のチェーンで床の金具に固定される。

 バイブレーターのスイッチが入れられると、お尻の奥を乱暴に掻き回される刺激に僕は半狂乱になった。

 泣きながら許しを請い、チェーンをガチャガチャと鳴らす僕を後にして、『治療室』の重い鉄扉が閉ざされた。

● ● ●

 その日は、朝からいつもとは様子が違っていた。

 普段ならば、朝食の後しばらくすると寺島院長と君島医師、新井看護婦の三人がやってきて僕を連れ出す。屈強な看護士に前後をはさまれて、護送される囚人のようにして『治療室』という名の調教部屋に連れ込まれるというのが僕のこのひと月の日課だった。

 しかしその日、僕が連れて行かれたのは浴室だった。

 毎日使っている薬臭い液体石鹸とシャンプーではなく、上品な香りの香料入りのそれらで身体を丁寧に洗われる。新井看護婦ともう一人、新井看護婦の後輩らしい看護婦が二人がかりで僕の体を隅々まで――それこそアヌスの皺の隙間まで――優しく丁寧に磨き上げた。

「やあ、準備はどうかね」

 寺島院長がやってきたのは、浴室から出た僕が化粧を終え、派手なランジェリーを着せられている時だった。

 裸身を見られ、僕は反射的に胸と股間を手で覆ってしまう。一瞬後、自分がまるで女の子のような振る舞いをしてしまったことに気付き、僕は自分の行動に愕然とした。

 新井看護婦たちに裸身どころか性器や尻穴までもを見られることには、抵抗感こそあれ羞恥は感じなかった。ところが寺島院長に下着姿を見られた瞬間、こみ上げてきた恥ずかしさに反射的に身体を隠していたのだ。

 透き通って殆ど透明な赤いベビードールと、これまたほぼ透明なレースのショーツ、ガーター留めのシルクのストッキングに肘上のシルクグローブと言う、まるでハリウッド映画に出てくる娼婦のような格好。それを男の目で見られるのがたまらなく恥ずかしかった。

「ふむ……。いいようだ。それでは来たまえ、依頼人に合わせよう」

 その言葉に、僕の覚悟が決まった。

 依頼人がどんな人間かはまだわからない。だけど、僕の体をこんなにさせたうえにこんな格好で呼び出そうとするからには、やろうとすることは一つしかないだろう。それならば必ず相手と二人きりになる時がある筈だ。

 罵詈雑言の一つも浴びせ、かなうことならばこの手で絞め殺してやろう――そう決意して、僕は寺島院長の後についていった。

 病棟の片隅にあるその部屋は、僕がこの一月を過ごした、いかにも入院病棟の病室、といった雰囲気の部屋とはまったく異なった内装だった。

 部屋の壁は、真っ白と言う点は同じだったけれど、繊細な花柄のエンボスの壁紙。照明も可愛らしいシャンデリアタイプで、壁には大きな風景画の油絵がかかっている。家具調度は小さなテーブルセットと衣装鏡の他にはベッドが一つだけだけれど、それも実用本位のパイプフレームベッドではなく、手彫りらしい丁寧な細工が施されたダブルサイズの木製のものだった。

 夫婦の寝室、というのが僕がその部屋を見て最初に抱いた印象だった。

「それではここでしばらく待っていてくれたまえ」

 寺島院長が僕を置いて部屋を後にする。僕はベッドに腰をおろすと、次にやってくる人物を待ち構えて扉をにらみつけた。

 それから数分後、僕がいささか焦れてきたときにやっとやって来たのは、僕のまったく予想していなかった人物だった。

 弟だった。

 弟の和也がその部屋の扉を開けて入ってきた。

 とうとう和也が僕を探し出してくれたのだと、この場所を見つけて助けにきてくれたのだと、そう思った。

「和……!」

 駆け寄ろうとして、自分の今の格好に気がつく。

 派手なシースルーランジェリーと化粧――それ以前に、体型からして変わってしまい、あまつさえ乳房まで付いた体。

 和也に僕がわかるだろうか、分かったとしてどんな目で見られるだろうか。

 様々な考えに思考が堂々巡りに陥ってしまい、僕はベッドから立ち上がって足を踏み出しかけたまま凍りついた。

「ああ、兄さん。本当に女の子になったんだね。あの薬、本当に効くんだな」

「……え?」

 一月ぶりに聞く和也の声。だけど、和也が何をいっているのか僕には分からなかった。

「寺島さんから話を聞いた時は半信半疑だったけど、信じて正解だったな」

 和也の言葉が耳に入り、一瞬遅れてから脳がそれを理解する。

「か、和也、何を、言って……」

 声が震え、言葉が途切れ途切れにしか出せない。和也はそれきり口を開かず、無言で僕に迫ってくる。僕は思わず後ろに一歩下がってしまい、ベッドに膝の裏をぶつけて座り込んでしまった。

 ベッドに腰をおろした僕を、そのすぐ前に立った和也が見下ろす態勢になる。

 次の瞬間、僕は和也にベッドの上に押し倒されていた。

「っ!」

 和也を押し返そうとしても、腕をつかまれてベッドに押し付けられて僕の体はびくともしない。和也はこんなに重かっただろうかと考えて、そうではなく、自分の筋力が衰えているのだと気付く。以前より丸っこく、ぷにぷにと柔らかくなっている僕の体は、男性の体に比べて筋量が落ちているのだ。

 和也の顔が迫り、その目が僕の目を見つめてくる。僕はその目から視線を引き剥がすことが出来ず、小刻みに震えながら和也の次の行動を待つしか出来なかった。

「兄さん――どこにも行かせない。ずっと俺の物だ」

「和也……。どうしてこんな……」

「……兄さんがいけないんだ。結婚しようだなんて。俺を置いてどこか行こうだなんて」

『結婚? 何の話だ?』

 そう聞き返そうとして、それは果たせなかった。和也の唇が僕の唇をふさいで声を奪ったからだ。

 強引に唇を割ろうとする舌を、唇をぎゅっと噛み締めて拒絶する。和也の舌はしばらく僕の唇を嘗め回していたけれど、やがて諦めたように離れていった。

「兄さん、何で俺を拒否するんだよ。あんなに優しくしてくれたのに。俺だって兄さんのために医者になろうとしてるのに」

「ばっ、馬鹿、そういう問題じゃないだろう!?」

「……そうか、じゃあ仕方が無いな」

 その和也の言葉にほっとした次の瞬間――僕は再び押し倒され、肩をつかまれてうつ伏せにされた。

「和也、な、何を!?」

「……力ずくででも、兄さんに俺の物になってもらう」

 その言葉に、僕は頭を殴られでもしたかのような衝撃を受けた。

 何故、どうして、何でこんなことに……。そんな言葉だけがぐるぐると渦巻き、思考が再び堂々巡りに陥る。

 僕は和也の事を一番にしてきた、和也だって、ちょっと生意気なところは有ったにせよ、根は素直でいい子だった。両親と死別してから、二人で精一杯生きてきたのに……。

 和也が何故こんな事をするのか理解できず、僕の頭は麻痺状態だった。

 自失状態から僕を引き戻したのは、お尻に、正確に言えばお尻の穴に感じる刺激だった。この一ヶ月間いやと言うほど味わわされたそれは、潤滑ゼリーを肛門に塗りこまれる感触だった。

 和也が何をしているのかに気がついて血の気が引く。

 アナルセックスの準備――和也は本気で僕を犯すつもりなのだ。

「和也、やめろ、やめてくれ!」

 必死になって逃れようとしても、片腕で押さえられただけで完全に押さえ込まれてしまう。肥大した乳房がベビードール越しにシーツにこすれ、乳首から鋭い刺激が湧き起こる。

 ショーツを下ろされアヌスに指を突っ込まれて中をかき混ぜられると、そちらからも快感が湧き起こり僕の抵抗力を奪う。腰から下が脱力するのを感じ、僕は自分の尻穴がすっかり調教されきっている事を思い知らされた。

 ベッドにうつぶせて喘ぎながら、僕は惨めさに涙をこぼしそうになった。

「はっ、はあっ、和也、やめて、んくっ……」

「……ずいぶん気持ちよさそうじゃないか。このひと月、寺島さんたちに犯されまくったのかい?」

「そんなこと、ない……」

「それにしちゃずいぶん柔らかいじゃないか。突っ込まれるのに慣れてるんじゃないのか?」

「それは、バイブやディルドーで……」

「ふうん。それじゃあ――俺が初めてになるんだね」

 その言葉と同時に、背中にのしかかられる重みが感じられた。いつのまにか服を脱いでいた和也が僕の背に覆い被さり、股間の物を僕の後ろの穴に当てているのだ。

「! だ、駄目! 駄目、やめて和也!」

「……いくよ」

 指で掻き回されてすっかりほぐれていたアヌスに熱い物が当たる感触がする。バイブレーターやディルドーのような冷たさのないそれが何か、目にするまでも無く判る。

 もう駄目だ。逃げられない。

 シーツを鷲掴みにして顔をうずめ、体をこわばらせた次の瞬間――弟の男の象徴が僕の肉穴を貫いた。

 熱くて硬い肉のこわばりが、僕の柔らかくほぐれた肉を貫き通す。

 新井看護婦の手でバイブレーターやディルドーを押し込まれるのとは根本的に違う、本物の『男』に貫かれた感触。

 僕を貫く肉棒自体も熱ければ、背中にはその持ち主の体温と重みも感じる。熱い吐息がうなじにかかり、相手の興奮が感じ取れる。

 玩具や道具ではなく、本物の生殖器官に犯され、種付けされる準備が出来てしまったと言う実感。

「あ、ああ、ああ……」

 自然と涙がこぼれ、呆然とした声が漏れる。肉体の苦痛によるものではなく(僕のアヌスは既にもっとずっと太い玩具をつき立てられる事も経験している)、『本物で』『犯された』という――しかも弟によってだ――事実による衝撃。

 魂を打ちのめされたような精神的衝撃に、僕はただすすり泣くことしか出来なかった。

「兄さん、泣かないでくれ」

 そう言って和也が動き始める。肛門粘膜がこすり上げられ、引きずり出される。今度はゆっくりと押し込まれ、体内をこじ開けられながら奥を叩かれる。やがてその動きはリズミカルな繰り返しになり、一往復毎に僕に声を上げさせる。

「んっ、くっ、あふっ、はあっ、んっ……」

 自分の上げているのが嬌声だと、そしてペニスに貫かれているアヌスから感じるのがまごうことなき快感だと知って、僕は絶望を新たにした。

 たとえ相手が最愛の弟とは言え、無理やり――しかもアヌスを――犯されて快感に溺れる自分は、もはや男とはいえないのではないか。

 ほんの数十分前までは、僕はまだ自分が男であるつもりだった。たとえ体は無理やり改造されたとしても、アヌスの快楽を無理やり教え込まれたとしても、心は男のままなのだと。

 だけど今の僕は、雄の生殖器官に貫かれて快感に喘ぐ一匹の雌だった。体だけではなく、心がそのことを悦んでいる。自分が『貫く』のではなく『貫かれる』事に悦びを見出し、喜悦の声を上げている。

 その事実に、僕は快楽の喘ぎを挙げながら涙を流した。

 突然、和也が姿勢を変えた。寝返りを打つように横に転がって側背位の姿勢になると、僕の片足を持ち上げる。

「ほら、見てみなよ」

 言われて視線を上げた先にあったのは、大きなドレッサーミラーだった。

 そこに写っていたのは――男に後ろから貫かれて、だらしなく緩んだ顔で涎さえ溢しながら喘ぎ、自らのペニスからも際限なく蜜を溢れさせる淫靡な雌の姿だった。ペニスをしっかりとくわえ込んだ肉穴が、それをぎちぎちと締め付けているのまではっきり見える。

「兄さん、いや、もう姉さんかな。可愛いよ」

「や、やだ、みないで、みないで……」

 自分が貫かれる快楽に溺れている事を改めて見せ付けられ、僕の精神はもはや立ち直れないところまで打ちのめされた。

「姉さん、もう出るよ……」

 和也が腰を激しく打ちつけながら言う。その言葉の意味を理解して、僕は再び恐慌状態に陥った。

「い、いやだ、駄目、それだけは駄目っ!」

「ごめん、俺、もう限界なんだ」

 いっそう激しくなる抽送に、和也の限界が近い事を感じて僕は半狂乱になった。しかし必死になって暴れても、和也は僕をしっかり掴んで離さなかった。

 やがてとうとうその時が来て――和也のペニスが一際強く打ち込まれたと思うと、僕の直腸に盛大に熱い物がぶちまけられた。

 その感触は僕に熱湯でも注ぎ込まれたような刺激を与え、僕を絶頂へと押し上げた。

 自分のペニスからも絶頂の証を放出しながら、僕の意識は暗い闇へと飲み込まれていった。

『これは現実じゃない』『こんなことあるはずが無い』『きっと悪い夢なんだ』『夢から覚めれば、普段の日常に戻れるはず』

 そんな呟きが、『僕』が意識した最後の思考だった。

 『わたし』がはじめていしきしたのは、おしりからかんじるきもちよさでした。

 めをひらいてさいしょにみえたのは、べっどにあおむけになったわたしのおしりにおちんちんをいれているおとこのひとでした。

「姉さん、気が付いたのかい?」

 おとこのひとがわたしのかおをのぞきこみながらいいました。

 ねえさん、というのはわたしのことでしょうか? でもわたしは、そのおとこのひとのことをしりません。ぼうっとしながらそのひとのかおをみかえしていると、おとこのひとはまゆをひそめました。

「姉さん、怒ってるのかい?」

「……あなた、だれ?」

「……え?」

 それからあとは、なんだかおおさわぎになりました。

 おとこのひとはへやからとびだしてすこしすると、はくいをきたちゅうねんおおとこのひとと、かんごふさんといっしょにもどってきました。

 ちゅうねんのひとがやさしいこえでわたしにたずねます。

「お嬢さん、自分の名前はわかるかな?」

「なまえ?」

 なまえ……、なまえ? いっしょうけんめいかんがえてみますが、じぶんなまえも、おとうさんやおかあさんのことも、なにもおもいだせません。そのことをつげると、さいしょにわたしのおしりにおちんちんをいれていたおとこのひとが、すごくこわいかおになりました。

 でもわたしはそんなことより、おしりからかんじるもどかしいきもちがきになってしょうがありませんでした。

 ちょっとかんがえて、このきもちがなんなのかがわかりました。わたしはべっどにうつぶせになると、おしりをたかくしておねがいしました。

「ねえ、おねがい、わたしのおしりに、だれかおちんちんいれてえ……」

 もどかしさにおしりをもじもじとうごかしながら、くびをひねってうしろをみます。わかいおとこのひととちゅうねんのおとこのひとが、わたしをみながらなにかむずかしいことをはなしています。でもふたりとも、ちっともわたしのおしりにおちんちんをいれてくれようとはしません。

「おねがあい、おしりがさびしいの、だれかおちんちん、おちんちんいれてえ……」

「新井君、彼女の面倒を頼む。そちらのディルドーでなだめてやってくれ」

「はい、院長」

 おとこのひとたちはおちんちんでわたしをおかしてはくれませんでしたが、かんごふさんがおちんちんのかたちをしたおもちゃでわたしをいっぱいきもちよくしてくれました。おもちゃでなんかいもなんかいもいってしまったわたしは、じぶんのおちんちんからも、すっかりうすくなってみずみたいになったせいえきをたらしながらねむりにつきました。もちろんおしりにはおもちゃをいれたままです。これがなかったら、きっとこわいゆめをみてないてしまうでしょう。

 めをとじるとき、おとこのひとがわたしのことをむずかしいかおをしてみていました。そのかおをみていると、なんだかなきそうなかおをしているようにみえました。なかないで、といおうとおもいましたが、そのまえにわたしはねむりにおちてしまいました。

● ● ●

 私がいまいるのは、てらしま先生のびょういんです。

 私は「きおくそうしつ」というびょうきでにゅういんをしています。

 私のちりょうのために、毎日たくさんの先生が私のびょうしつにきてくれます。

 今日も、しんりょうないかのわかい先生と、じょしゅのかんごしさんの二人がきてくれました。

「さあ白木さん、今日の治療をはじめますよ」

「はい、おねがいします」

 わたしはベッドのうえにうつぶせになり、おしりを先生たちのほうにむけて言います。

「きょうもみんなのにくべんきのりょうこのおくちまんことおしりまんこに、ざあめんたくさんだしてください」

 てらしまいんちょう先生におしえてもらったせりふを、今日はつっかえずにいえました。

「いいですね、スムーズです。リハビリは順調ですね」

 先生が私のことをほめてくれました。しゃかいふっきのためにはちゃんと言葉をはなせないといけませんから、まいにちかんごふの京子さんにおしえられながられんしゅうしたかいがありました。

「では今日の治療をしましょう」

 先生はそういうと、わたしのおしりからゴムでできたおもちゃをひきぬきました。

 おもちゃをいれるまえに京子さんがいれてくれたぬるぬるがこぼれないように、わたしはおしりのあなをすぼめなければいけません。

 先生がおもちゃをぐりぐりとうごかしながら引っぱると、おしりがとてもきもちよくなります。

 おもわずちからがぬけてしまいそうになるのを、わたしはいっしょうけんめいにがまんしました。

「さあ取れましたよ」

 なんとかぶじにおもちゃがとれると、きゅうにおしりがさびしくなってきました。なんだかこわいきもちになってきて、わたしはおもわずせんせいにおねがいしてしまいます。

「せんせえ、りょうこのおしりに、おちんちん、おちんちん、いれてえ……」

「おっと、いけませんね、白木さん。そういう時はどういう風にいうんでしたっけ?」

 そうでした。こんなふうにこどもみたいなおねだりをしていてはしゃかいふっきなどできません。

 わたしはてらしまいんちょう先生に教えてもらったおとならしいおねがいの仕方をおもいだします。

「りょうこの、おちんちんがないとだめな、いんらんめすあなに、せんせいたちのおちんちんぶちこんで、ください。おねがいします」

 おもいだしながらしゃべったので、少しことばがつっかえてしまいました。

「ふむ、今ひとつですね。では彼の準備をしてあげてください」

「はい!」

 わたしはベッドからおりると、先生のとなりに立っていたかんごしさんのまえにひざまづきました。

「りょうこにあなたのおちんちんおしゃぶりさせてください」

 こんどはつっかえずに言えました。

 かんごしさんがズボンのジッパーをおろし、おちんちんをわたしのめのまえにだしてくれます。

 わたしはかんごしさんのおちんちんを手にとると、まずそのせんたんにちゅっとキスをしました。

「そうそう、その調子ですよ」

 先生にはげまされながら、わたしはいっしょうけんめいかんごしさんのおちんちんをおしゃぶりしました。

 さいしょはしたをだしてさきっぽから全体をまんべんなくなめまわし、したのさきでびんかんなところをなぞってあげます。

 せんたんからこぼれるさきばしりをなめとりながら、さおをてでしごきます。

 それからお口をおおきくあけて、さきっぽをすっぽりのみこみます。お口の中でしたをつかいながら、きゅうっとすいあげます。

 そうやってかんごしさんのおちんちんをおしゃぶりしていると、先生がわたしのおしりにゆびをいれてくれました。

 ぬるぬるをこぼしながらおしりをかきまわされ、そのきもちよさにおしゃぶりをするううごきがつっかえてしまいます。

「んっ、ひゃうんっ!」

「おや、駄目ですよ、白木さん。続けてください」

「はっ、はいっ!」

 そうやっておしゃぶりをしながらおしりをいじられていると、あまりのきもちよさに私のおちんちんからもさきばしりがこぼれます。やがてわたしは、おしりからのもどかしいきもちよさについにがまんが出来なくなりました。

「せんせい、おねがい、ゆびじゃなくて、おちんちん、いれてえ……」

「いけませんね、白木さん。そういう時はどういう風にお願いするんでしたか?」

 そうでした。いくらおちんちんがほしくても、他人におねがいをするときにはきちんとしなければいけません。

 私は二人からはなれてベッドにあがると、ふたりにむけたおしりをじぶんでひらいておねがいしました。

「りょうこのぉ、おちんちんいれてほしくてしょうがない、いんらんけつまんこにぃ、せんせいの、おちんちんくださぁい……」

「けっこうです、よく出来ました」

 うしろからズボンのジッパーをおろすおとがきこえます。つづいてこしにてがふれ、わたしのこしがしっかりとつかまれます。

 おしりのあなにおちんちんのせんたんがおしあてられるのをかんじて、わたしのおちんちんがびくんとはねました。

「あっ、んっ、ふあっ!」

 先生のおちんちんが私のおしりにどんどんはいってきます。そのきもちよさに、私はたまらずひめいをあげました。

「ふあぁ……」

 とうとう先生のおちんちんがぜんぶ入ると、わたしはベッドにかおをふせてためいきをつきました。

「白木さん、顔を上げてください」

「ふあぃ……」

 先生にいわれてなんとかかおをあげると、すぐ目のまえにおちんちんがありました。

 ベッドのよこ、先生とはんたいがわにかんごしさんがたって、こしをわたしのまえにつきだしているのでした。

 私は先生にいわれるまえに、じぶんでかんごしさんのおちんちんをくわえました。いちにんまえのしゃかいじんなら、いわれるまえに自分のやるべきことをしなければならないからです。

 わたしがかんごしさんのおちんちんをくわえたのとどうじに、先生がおちんちんでわたしのおしりをつきはじめました。

 おしりからのきもちよさにたえながら、私はいっしょうけんめいかんごしさんのおちんちんにお口でごほうしします。

 かんごしさんは手をのばしてくると、ぷるぷるとふるえている私のおっぱいをつかみました。

 私のおっぱいのさきっぽはすっかりかたくなっていて、それをかんごしさんのてのひらでぐりぐりされると、そこからもとってもきもちよくなります。わたしはよつんばいのままおっぱいをいじられながら、わたしをきもちよくしてくれるかんごしさんにお礼のこころをこめてお口でいっしょうけんめいごほうしします。

 いっぽうおしりのほうは、先生のおちんちんが私をおなかのそこからきもちよくしてくれています。

 そちらにもかんしゃのねんをこめて、わたしはおしりをつかってせんせいをきもちよくしてあげます。

 先生のおちんちんはいってくるときには、おトイレをするときのようにおなかのしたにちからをいれます。そうするとわたしのおしりがひらき、おちんちんをおくまでむかえいれることができます。

 おちんちんがでていくときには、こうもんにちからをいれてぎゅっとしめます。そうするとこうもんのおにくとおちんちんのさおがつよくこすれて、私も先生もきもちよくなります。

 先生のおちんちんがわたしをつくたびに、おしりにいれてあったぬるぬるがぐちゃぐちゃとはげしいおとをたてます。おくちのほうもかんごしさんのおちんちんがでいりするたびに、私のよだれがかきまぜられておなじような音をたてます。

 おくちとおしりのりょうほうからはずかしい音をさせながら、わたしはふたりにいっしょうけんめいごほうししました。

「うっく、それでは白木さん、そろそろ、注射をしますね」

 先生はそういうと、おちんちんのうごきをいっそう早くしました。それからすこしして、先生のうごきがきゅうにとまると、わたしのおしりにあついおちゅうしゃがされました。きもちのいいおちゅうしゃに、わたしのおしりがびくんびくんとふるえます。

 ちょうどそのとき、かんごしさんのおちんちんからもしろいおくすりがふきだしました。わたしはそれをいってきもこぼさないように、くちをすぼめてごくごくとのみくだしました。

 先生とかんごしさんがはなれると、わたしはベッドのうえにごろんとよこたわりました。からだからちからがぬけ、こしがびくん、びくんとけいれんします。

「ふう……。それでは白木さん、今日の治療はおしまいです」

「ふあぃ、おくすり、ありがとう、ございましたぁ……」

 わたしのびょうしつからでていく先生とかんごしさんを、わたしはベッドに横になったまま見送りました。

 きょうもたくさんおくすりをもらって、なんだかすこしびょうきがよくなったようなきがします。

 はやくたいいんできるといいなあ、とおもいながら、私はめをとじておおきくいきをはきました。

 毎日おゆうはんを食べおわると、かんごふのきょう子さんが私をおふろにいれてくれます。

 しんさつで汗をかくので、寝るまえに汗をながして体をきれいにしなければならないからです。

 私はきょう子さんにつれられて、びょうとうのはじっこにあるおおきなおふろに向かいます。

「はい、手を上げてください」

「はあい」

 きょう子さんともう一人のかんごふさんにふくを脱がされて、私ははだかになりました。きょう子さんたちもふくを脱いではだかになり、私といっしょにおふろに入ります。

 おふろではまずかみの毛をあらいます。シャワーの前におかれたいすにすわった私のかみの毛を、きょう子さんがやさしくシャンプーしてくれます。私は目にシャンプーが入らないように、まぶたに力を入れてぎゅっととじています。

 かみをあらいおわったら、こんどは体です。おおきなおふろ用スポンジにたっぷりあわを立てて、体のすみずみまでごしごしこすられます。

「んっ、あぁんっ……」

 おっぱいやわきのしたをこすられるたびに、そこからくすぐったい気持ちのよさがわきおこり、私はついえっちなこえを出してしまいます。

 やがてきょう子さんたちは、私のおしりやおちんちんもスポンジでこすりはじめます。

 おしりを広げられておしりの穴のまわりをスポンジでこすられると、おっぱいのときよりもっと気持ちのいいかんじがします。どうじにおちんちんもこすられると、気持ちがよすぎてひざがぶるぶるしてきます。

 おふろばでころんだらたいへんなので、わたしはいっしょうけんめい足に力を入れました。

「はい、じゃあ四つん這いになってください」

「は、はぁい……」

 体の外側がぜんぶきれいになると、きょう子さんはわたしをよつんばいにさせました。

「今度は中をきれいにしましょうね」

 きょう子さんはそういうと、ゴムでできたおちんちんのかたちをしたどうぐをベルトでこしにとめました。

「白木さん、力を抜いてください」

「はい……」

 きょう子さんにうながされて、私はほんもののおちんちんを入れてもらうときのようにおしりの力をぬきました。

 次のしゅんかん、ゴムのおちんちんのさきっぽが私のおしりの穴にあたりました。おちんちんはそのまま私のおしりの穴をこじあけると、どんどん私のおなかのなかに入ってきます。

「あっ、あっ、ふあっ……」

 おしりのいりぐちとおなかの中からかんじられる気持ちよさに、わたしはがまんできずにえっちなこえを出してしまいました。

「はい、じゃあごしごししますからねえ。痛かったら言って下さいね。明日香ちゃん、白木さんの胸の方をお願いね」

「はい、先輩」

 それから私は、おしりのなかをゴムのおちんちんでごしごしされながら、おちんちんもせっけんをたっぷりあわ立てた手できれいにしてもらいました。

 どうじにおっぱいも、泡まみれにされながら素手できれいにしてもらいます。てのひらがちくびをこするたびに、かたくなったそこがとっても気持ちよくなります。ちくびをつままれたり転がされたりすると、体ががくがくとふるえるそうになります。

「んっ、あっ、きょうこさん、ふあっ、で、でちゃいます、おちんちんから、でちゃいますっ……」

「あら、またお漏らしですか。お風呂を出るまで我慢出来ませんか?」

「むり、んっ、ですっ、あんっ、もうでちゃいますっ!」

「仕方が無いですね。じゃあここで出しちゃっていいですよ」

「んっ、ごめんなさい、あんっ、ごめんなさぁいっ!」

 言いおわると同時に、私はじぶんのおちんちんから白いおもらしをきょう子さんの手に出しました。せいえきが出るたびにこしのおくできもちのよさがばくはつし、おしりがぎゅっとしまってゴムのおちんちんをかみしめます。

 私ははあはあと大きく息をしながら、おしりからあたままでをいっぱいにするきもちよさに耐えました。

「きょう子さん、ごめんなさぁい……」

 なんとかこきゅうが落ちつくと、私はきょう子さんにあやまりました。

「あら、構わないんですよ。患者さんのお世話をするのが私たちの仕事ですから。でも、この調子では社会復帰は当分無理ですね」

「はぁい……」

 きょう子さんの言うとおり、毎日おふろに入るたびにこんなふうにおもらしをしているようでは、とてもしゃかいふっきなど無理です。こんなふうにがまんが出来ないのでは、どこでおもらしをしてしまうかわからないからです。

「はい、じゃあ泡を流しますね。立ってください」

 きょう子さんが私のおしりからゴムのおちんちんをぬきながら言いました。私がなんとか立ちあがると、きょう子さんとあすかさんがシャワーで私のからだからあわとせいえきをあらいおとしてくれます。

 おふろからあがると、ばすろーぶをはおる前に、きょう子さんが私のおしりにゴムのどうぐをいれてくれます。

 「あなるぷらぐ」というこれは、私のおしりがいつでもおちんちんを入れてもらえるようにするための大事なものです。すこしずつふといものにとりかえていくことで、私のおしりがどんなおちんちんでも気持ちよくなれるようにしてくれるのです。

「今晩から昨日までより少し太くなりますからね」

 そういうと、きょう子さんがまっくろなゴムのかたまりを私のおしりに入れてきます。まるっこい矢印のようなせんたんがおしりの穴をどんどんおしひろげ、私はくるしさにいきをのみます。しかしいちばん太いぶぶんが通りすぎると、のこりは私のおしりにつるんとのみ込まれてしまいました。

 いちばん底のぶぶんのてまえのすこしほそくなっているぶぶんをおしりの穴の入り口がくわえ、前にもうしろにも動かないようにこていします。広がりっぱなしのおしりの穴と、そのおくのいちばん太いぶぶんをくわえているところがとても気持ちよくなり、わたしのおちんちんがしぜんに固くなってきます。

「はい、それじゃあお部屋に戻りましょうね」

「はぁい……」

 けさまでより太い「あなるぷらぐ」をいれて、わたしはその気持ちよさにすでにゆめみごこちでした。

 こんやはいいゆめがみられるかなあ、と思いながら、私はおふろばを後にしました。

「それでは白木さん、今日の診察と治療を始めましょうか」

「はい、よろしくおねがいします」

 今日はいんちょう先生が私のびょうしつにかいしんにきてくれる日です。私はいんちょう先生のことばに答えると、頭をぺこりと下げました。

 服のむねをはだけると、先生の手が私のおっぱいにのびて来ます。

「ふむ、乳房はだいぶ発達してきましたね。どこか痛いところはありませんか?」

「んっ、だいじょうぶ、ですっ、ふあっ」

 いんちょう先生の手になでられて、私のおっぱいのさきっぽがぴんととがります。そこを指でつままれると、とっても気持ちがよくてあえぎごえが出てしまいます。

 いんちょう先生は私のからだのあちこちをなでまわし、いたかったり変なかんじがしないかをきいてきます。私はそれにこたえながら、ずっとあえぎつづけていました。

「ふむ、体に異常は無いようですね。それでは最後にお薬を出して終わりにしましょうか」

「は、はひ、おねがひしまふ……」

 私はベッドの上によつんばいになると、いんちょう先生にお尻をむけました。

「りょうこのなかに、せんせいのおくすりいっぱいちゅうしゃしてください……」

 お尻のお肉をりょうてでつかみ、さゆうに広げます。いんちょう先生はその私のお尻から、あなるぷらぐをぐいっと引きぬきました。

 ふだんずっと入っているあなるぷらぐが無くなると、なんだか心細いきもちになります。私ははやくお尻に入れてほしくて、こしをもじもじとうごかしました。

 すぐにいんちょう先生のおちんちんが私のお尻におしあてられ、それがずぶずぶとわたしのなかにはいってきます。お尻のなかをこすられる気持ちのよさに、私はまたあえぎごえをあげました。

 それからいんちょう先生のおちんちんは私のお尻をでたりはいったりしはじめます。お尻のいりぐちや中をこすられるたびに、それからいちばんおくをつつかれるたびに、私は大きなあえぎごえをあげました。

 いんちょう先生のおちんちんのうごき方は、ほかの先生たちやかんごしさん、かんごふのきょうこさんのようにはげしくは有りません。でもそのかわり、わたしのきもちのいいところだけをずっとつついてくれます。ゆっくりな動きでそこをつつきつづけられると、こしがとけてしまいそうなほど気持ちがよくなります。

「ふあっ、せんせえ、そこっ、きもちいい、きもちいいですっ!」

「ふふ、白木さんは注射をされるのが気持ちいいんですね?」

「はいっ、せんせいのおちんちんちゅうしゃ、あんっ、だいすきっ、ですっ!」

「ではお薬を出しますからね。しっかり受け取ってください」

 いんちょう先生がそういった次のしゅんかん、私のお尻のなかに熱いおくすりがそそぎこまれました。

「あっ、きてるっ、ふあっ、ああっ!」

 わたしはお尻だけをたかくしたしせいでベッドにつっぷしながら、体をぶるぶるふるわせました。

 しばらくそうしていたあと、いんちょう先生のおちんちんが私の中から出ていくのがかんじられました。ふたたびものたりなさをかんじたお尻に、いんちょう先生があなるぷらぐを入れてくれます。

「んっ、はあっ……」

「お薬をこぼさないように、気をつけてくださいね。それではこれで今日の治療は終わりです」

「ふあい、ありがとう、ございましたあ……」

 いんちょう先生のおくすりでいっぱいになったお尻からの気持ちよさでふわふわした気分で、私はいんちょう先生にお礼を言いました。

● ● ●

「♪〜」

「白木さん、ご機嫌ね。何かいい事があった?」

 鼻歌を歌いながらシャワーを浴びる私に、看護婦の京子さんが聞いてきます。

「えへへ、明日は和也が会いにきてくれる日なんですよ」

「ああ、そういえば明日は面会日だったわね。それは楽しみね」

「はい♪」

 明日は一週間に一回の面会日、つまり、私と弟が一日だけ会うことが出来る日です。

 実際のところ、記憶喪失で入院中の私には彼が弟だという実感が有りません。それでも、彼――和也と一緒にいると不思議と落ち着いた安らかな気分になれます。きっとそれが私と彼が姉弟であるという証しなのでしょう。

 私は恋人を迎える準備をするかのように、入念に体を磨きました。

 コンコンとノックの音がして、私の個室のドアがたたかれます。

「どうぞ」

 私はどきどきしながらそのノックに答えます。

「やあ、姉さん」

 ぶっきらぼうな挨拶とともに、和也が扉を開けました。

「いらっしゃい、待ってたわ」

「これ……」

 そういって和也が差し出したのは、洋菓子店のロゴ入り包装紙に包まれたケーキの箱でした。

「ありがとう。コーヒーにする? 紅茶?」

「あ、コーヒーで……」

 私は戸棚からカップを二つとインスタントコーヒーの瓶を取り出し、ポットのお湯の量を確かめます。お湯が十分にあるのを確認したら、カップにインスタントコーヒーを入れてお湯を注ぎます。

「はい。いつもインスタントでごめんなさい」

「あ、いや、ここじゃ仕方が無いし、べつにいいよ」

 二人でケーキを食べながらコーヒーを飲み、他愛の無いおしゃべりをします。とはいっても私が話せることはそんなに有りませんから、もっぱら私は聞き役でした。

「――でさ、教授にこっぴどく叱られたよ」

「あらあら、それは大変だったわね」

「うん、まあどうって事無いけどさ……」

 ふと会話が途切れ、二人の間に沈黙が落ちます。

「……姉さん、俺の事とか、ここに入院する前のこととか思い出した?」

「……ごめんなさい」

 私はいまだに、数ヶ月前にこの病院で目覚めたときより以前のことを思い出すことが出来ていません。どうして記憶を無くしたのか、それ以前はどんな暮らしをしていたのか――何もです。

「あ、いや、いいんだ。無理はしないでもいいんだ」

「うん、でも――」

「姉さんには俺がいる。記憶なんか戻らなくても俺が一生いっしょにいるよ」

「……ありがとう」

 まるでプロポーズのような言葉に、私は申し訳ないと思うと同時に心のそこから喜びを感じました。もしかしたら私は、家族として以上の愛情を弟に、いえ、和也に抱いているのかもしれません。

「……ねえ、今日も泊まっていけるんでしょう?」

「……ああ」

 和也が面会にきてくれるのは、翌日に講義も実習も無い日です。この病院の個室病棟は面会者の宿泊も許可していて、和也は面会の日は必ず私の個室に泊まっていきます。

 今晩の事を考えると、お尻とおちんちんの根元が疼きます。アヌスがきゅっと収縮し、その弾みにアナルプラグが前立腺をこすりあげました。

「姉さん……」

「和也……」

 お互いの名前を囁きあって、私たちは唇を重ねました。

 ベッドに横たわった私に覆い被さる和也はとても真剣な表情です。

 私と体を重ねるときの和也はいつもこんな顔をします。私としてはもっとリラックスしてほしいものなのですが……。

 それはさておき、私は自分から舌を出して和也の舌に絡めます。和也もそれに答え、絡み合った二人の舌がぴちゃぴちゃと濡れた音をたてます。上になっている和也の唾液が自然と私の方に流れ込み、私は口の中にたまるそれをのどを鳴らして飲み下します。

「……んっ!」

 口を塞がれたまま、私は小さく悲鳴をあげました。和也の指が私の乳首をはさみ、そこからしびれるような刺激を送り込んできたからです。

 すでに尖っていた胸の頂から送られた甘い刺激は、背筋を伝わって腰と脳天に響きます。下半身に電気が流れたような刺激に、私の足がびくりとはねました。

 和也の手は、そのままゆっくりと私の乳房をもみ始めます。そうされると乳房全体から柔らかな快感が湧き起こり、それが熱になって私の体を炙ります。

 私のおちんちんはびくん、びくんと震え、おなじように痙攣する肛門はそのたびにアナルプラグをぎちぎちと噛みしめます。まるで私の体のあちこちが勝手にさまざまな快感をむさぼっているようでした。

 肉体がおぼれている肉の快感とは別に、私の心もまた精神の喜悦を味わっています。

 体の快感はこの病院の先生たちや看護士さん、看護婦さんたちに抱かれ、貫かれたときにも同じものを感じます。しかし和也に抱かれ、肌を重ねたときにはそれとは別の、心の奥からの安堵感、安心感のようなものを感じます。同時に、和也に求められていることに、私は喜びを感じます。

 この気持ちがどうして起こるのか、私には分かりません。いまだに以前の記憶を取り戻せていない私には、この数ヶ月の記憶しか判断材料が無いからです。

 でもこれだけは断言できることがあります。

 この気持ちは、きっと記憶を失う以前の私も持っていたものです。記憶を失う以前の私も、和也に対して同じ気持ちを持っていたはずです。たとえ記憶は無くてもこれだけは間違いないと、理由はわかりませんが確信できました。

「っ、はぁ、姉さん……」

 和也の唇が離れ、お互いに熱い息を吐きます。私は和也の背中に腕を回すと、抱き寄せるようにして引き寄せました。再びお互いの顔が近づき、私たちは唇を重ねました。

 ちゅっ、ちゅっ、という吸引音とともに、私の乳首が吸われます。そのたびにそこから甘い刺激が走り、私の腰を直撃します。骨盤がとろけそうな快感に、私の下半身はすっかり骨抜きでした。

「んっ、和也、もう駄目、許して……」

「んっ、気持ちよくないのかい、姉さん……」

 赤ん坊のように私の胸を吸っていた和也が、乳首から口を離して問い掛けてきます。意地悪な質問です。

「ううん、気持ちよすぎて、もういっちゃいそうなの……」

「いいよ、いっちゃいなよ」

「やっ、いや、お願い、和也のおちんちんで、おちんちんでいかせて……」

 私は恥も外聞も無く、和也の男根をねだります。絶頂の喜びを、貫かれることで味わいたい、熱い精を注ぎ込まれて果てたい――心底からの願いを、私は包み隠さずさらけ出しました。

「俺のチンポを、姉さんはどこに欲しいんだい」

「私のお尻、ケツマンコに和也のおちんちんちょうだい、ザーメンいっぱい注ぎ込んで、種付けして!」

「いいよ、わかった」

 いつものやり取りをして、私は自分で両足を抱えあげます。大きく開かれた足の間の、すっかりかたくなって蜜を垂れ流すおちんちんと、その下でアナルプラグをくわえ込むアヌスが剥き出しになりました。

 和也の手がアナルプラグの底をつかみ、ぐっと引っぱります。濡れた音とともにプラグが引き抜かれ、アヌスからローションがたれ落ちました。

「はやく、はやくぅ」

 お尻に何も入っていない不安感が、私に挿入をねだらせます。

「そうあせるなよ。俺のチンポは逃げたりしないよ」

「やあ、やだあ、おねがあい、おちんちん、おちんちん、りょうこのおしりに、いれてえ」

 おしりがさびしくて、わたしはかずやにおちんちんをおねだりしました。おしりがからっぽだと、なんだかとってもこわいことをおもいだしそうで、すごくふあんなきもちになります。

「おねがあい、うっ、ぐすっ……」

「ああ、悪い、泣かないでくれ。今入れてあげるよ」

 かずやはそういうと、わたしのおしりのいりぐちにおちんちんのさきっぽをあてました。かたいおちんちんわたしのこうもんにあたり、肉の窄まりをこじ開けようとしています。その感触に安堵しながら、私は和也を自分の中に迎え入れる瞬間を期待して胸を高鳴らせました。

 私にのしかかった和也が腰に体重をかけます。次の瞬間、私のアヌスは和也のペニスによっていとも容易く貫かれていました。

 めりめりと音を立てそうな勢いで肉の環がこじ開けられ、直腸内に進入した和也の亀頭が私の前立腺を一打ちします。

「あっ、んっ!」

 私の喉から快楽にとろけた声があがり、肛門括約筋が反射的に収縮してペニスを締め付けました。それがまた強烈な刺激を呼び起こし、私の体をびくびくと震えさせます。和也のペニスはそんな私を無視するように突き進み、アヌスの奥の奥までをあっさりと占領しました。

「あっ、はあっ、はあっ、はあ……」

 直径数センチ、長さにしてわずか十数センチのペニスですが、それを体内に迎え入れるとまるでお腹の中をすっかり埋め尽くされているようです。和也が少し身動きをするたびに私の肛門に力がかかり、体内に打ち込まれた肉槍にすべてを支配されてしまったように感じられます。

「姉さん……」

「和也ぁ……」

 私は脚を抱えていた両腕を離し、両脚を和也の腰に絡みつかせました。両腕も和也の首に回し、しっかりと抱きつきます。体内を貫かれながら体も密着させ、私は全身で和也の存在感を感じました。

 それから和也は、最初はゆっくり、だんだんとはげしく腰をつかい始めます。しっかりとしがみついたままの私は全身を揺さぶられながら体内を突き上げられ、その一突きごとに快感がお尻から頭までを突き抜けました。

「あっ、ふあっ、ああんっ、かずやっ、かずやあっ!」

 ペニスに脳天までを串刺しにされたような快感に貫かれながら、私は悲鳴をあげながら必死で和也にしがみつきました。和也の呼吸も荒く、私を一突きするごとに短いうめき声のような声をあげています。

 そうやって何度突き上げられたのか、回数などとっくにわからなくなった頃、私は限界に達しようとしていました。

「あんっ、だめっ、もうだめっ、いっちゃう、はあっ、いっちゃうっ!」

 体がびくびくと震え、あと何回かペニスを打ち込まれれば絶頂というところで――和也の動きがぴたりと止まりました。

「あ……? かず、や……?」

「そんなに早くいっちゃったらもったいないだろ。もっと楽しもうよ」

 和也はそういうと、私を抱き上げるようにして体を起こしました。ベッドの上に胡座をかいた和也に抱かれたまま貫かれた姿勢、いわゆる対面座位の形になります。

「ほら、こんどは姉さんが動いてくれないか?」

「うん……」

 この姿勢ではあまりはげしく腰をつかうことは出来ません。その代わり、私自身の体重によってペニスをより深くまで打ち込むことが出来ます。ペニスの先端で直腸内奥をぐりぐりとこじられながら、私は8の字を描くように腰をグラインドさせました。

 腰をひとつうごかすたびに、和也のペニスが私のお尻の奥をえぐります。同時に入り口の方もこじ開けようとするように押し広げられ、無理やり押し広げられる感覚が私にぞくりとするような快感を与えます。

 私のペニスから溢れ出した蜜が二人のお腹を汚しています。ペニスが和也のお腹にこすれるたびに、そちらからももどかしい快感が湧き上がってきます。

 私の乳房は二人の体の間で押し潰され、乱暴にもみしだかれているような刺激を受けています。その頂はぴんと尖り、こすれるたびに、甘く鋭い快感がそこから広がります。

 体中から感じる快感に、私は今にも絶頂しそうでした。和也に抱きついてそれをこらえながら、全身、特に腰をこすりつけるようにして私は快感をむさぼります。

 そうやってどのくらいの時間がたったでしょうか、いきそうでいけないもどかしさに疲れ、私は動きを止めてはあはあと荒い息をつきました。

「……姉さん、もう飽きたのかい?」

「ううん、でも、ちょっと、休ませて……」

「ああ、疲れたんだね。いいよ、少し横になろうか」

 そういって和也は私を横たえると、いったんペニスを抜いて横臥した姿勢をとらせます。和也は私の背後に横になり、後ろから私の中に入ってきました。

「んっ、はあっ……」

「姉さんの髪は良い匂いだね」

「んっ、シャンプーの、あんっ、香りよ……」

 和也が身動きするたびにお尻から刺激が広がり、私に甘い声をあげさせます。挿入されっぱなしのアヌスに感じる和也の熱さと固さに、私は心の奥底までとろけきっていました。

 そうしてつながったまま横になっていると、私の心が幸福感で満たされていきました。思わず、この時間が永遠に続けばいいのに、などと考えてしまいます。

「……姉さん、いいかい?」

 横になってからどれほどの時間がたった頃でしょうか、和也が私の耳元に顔を寄せ、囁くような声で言いました。

「うん……」

 お尻で感じる和也のペニスの震えから、和也がそろそろ限界なのが分かります。私は穏やかな快感に浸る時間への名残惜しさと、熱く激しい絶頂への期待感の両方を感じながら言いました。

「来て、私の中に、和也のを全部ちょうだい……」

 私たちは姿勢を変え、仰臥した私の背中に和也が覆い被さる姿勢をとります。組み伏せられて逃げようの無い私を、和也が無慈悲に絶頂に追い立てる姿勢です。

「私のお尻、和也のおちんちんで犯して……、好きなだけ……」

 私のその言葉を合図に、和也は再び腰をつかい始めました。

「あっ、んあっ、はっ、はあっ、ふあっ……」

 和也のペニスが私のアヌスを出入りし、私に途切れることの無い喘ぎ声をあげさせます。直腸内のローションが攪拌されて立てるぐちゅぐちゅという音と、和也のはあはあという激しい呼吸音がそれに重なります。ベッドのきしむぎしぎしという音が通低音になり、隠微なオーケストレーションを構成していました。

 和也が腰を進めるたびに私の肛門は激しくこすりあげられ、直腸が奥まで押し広げられます。ペニスの先端が奥を突くたびに、そこから快感の波紋が広がります。その一回ごとに、私は絶頂してしまいそうでした。

 ペニスと違い、アヌスでの絶頂は幾度でも繰り返すことが出来ます。たとえ精液を一適残さず搾り出してしまった後でも、アヌスを責められれば再び快感を得ることが出来ます。

 けれども私は、お尻から送り込まれてくる快感にシーツを鷲掴みにしながら耐えました。

 和也と一緒にいきたい、和也の精を体内に受けて、その熱さを感じながら絶頂したい――そう思ったからです。

「んっ、姉さん、俺、そろそろ……」

「きてっ、あんっ、私の中に、んっ、和也の全部、ちょうだいっ!」

 やがて限界を迎えた和也に合わせ、私も自らの絶頂を解き放ちました。

 ひときわ深く、力強く、和也のペニスが打ち込まれ、私のお尻の奥の奥を打ちます。次の瞬間、私の体内に、熱く濃厚な精液が注ぎ込まれました。

 その衝撃を、私は熱いお湯でも注ぎ込まれたように感じます。お尻の奥から快感の衝撃が走り、骨盤全体が共鳴します。その衝撃は背骨を伝わって私の体内を駆け上り、頭の中心で爆発しました。

 私は長々と悲鳴をあげながらのけぞり、自らのペニスからも精を吐きました。

 二人折り重なって荒い呼吸をしながら数分もたった頃でしょうか、和也のペニスが私の中からずるりと引き抜かれました。直後、冷たいゴムの塊が私の肛門を再び押し広げます。和也の手でアナルプラグが挿入されたのでした。

 精液で満たされた直腸に栓をされ、私は深くため息をつきました。

 ベッドに横たわり、ぼんやりと天井を見上げている和也に寄り添いながら、私は快感の余韻に浸りました。和也の左腕を枕代わりにしながら、その横顔を見つめます。

「……くすっ」

「なんだい、姉さん」

「ううん、何でも……。ねえ、喉、渇いてない?」

「ああ、少し渇いたかな」

「水持ってくるわね」

 冷蔵庫で冷やしてある、ミネラルウォーターの入った水差しとグラスを取ってこようと、私はベッドの上で体を起こしました。その拍子に、お尻の中で和也の精液が流れたように感じられました。

「……うふふ」

「……どうしたんだい」

「なんでもないわ」

 下腹部を掌でさすりながら笑う私に和也が問い掛けましたが、私は笑ってそれをはぐらかしました。あなたの精液が動くのが感じられたのよ――と言うのはさすがに少しはずかしかったからです。

 わたしは全裸のままベッドからおり、スリッパだけを履いて冷蔵庫に向かいました。お尻の中で和也の精液が重力にしたがって流れ落ちるのが感じられますが、肛門をふさぐアナルプラグがその流出を食い止めました。

 和也の視線をお尻に感じながら、私は冷蔵庫からガラスのピッチャーを取り出します。グラスにミネラルウォーターを注ぎ、そのひとつを和也に手渡しました。

 和也はそのグラスを一息にあおると、ため息をひとつついて何か考え込みました。

「どうしたの?」

 無言でグラスを見つめいている和也から、とても思いつめた雰囲気が感じられます。それは私に不安を与えるものでした。

「姉さん……、ごめん……」

 和也が私に謝ります。だけど私には、それが何故なのかは分かりません。これまでにも幾度かこういうことがありましたが、その理由を聞いても和也は答えてはくれないのでした。

 和也が何を謝っているのか――それが分からなくても、和也がそれを悔い、私に対して罪悪感を持っていることは分かります。あるいはそれは、私の記憶が失われたことに関係があるのかもしれません。

 けれど私は、不思議とそのことについて関心がもてませんでした。そんなことより、罪悪感にさいなまれ、気落ちしている和也をどうにかして力づけたい――それが私の最大の関心事でした。

 私はベッドに上がると、和也の頭を抱き寄せ、胸の谷間に押し付けるようにして抱きしめました。

 無言で抱き合いながら、どうすれば和也を慰め、落ちつかせてあげることが出来るのか――私はそれだけを考えていました。

● ● ●

 今私は寺島医院で院長秘書の仕事をしています。結局過去の記憶を取り戻せずこれから何をしたらいいかもわからない私に、寺島院長が斡旋してくれた仕事でした。

 初めは慣れない事もあって色々と不手際もありましたが、一年もする頃にはすっかり仕事を飲み込むことが出来ました。

「白木君、今日の予定はどうなっているかね」

 寺島院長が、私に今日のスケジュールを確認します。

「はい、院長、ちゅっ、今日は三時から、ずずっ、工事業者の方が、じゅばっ、みえられる予定です」

 椅子の背もたれに背を預ける院長の前に跪き、そそり立ったペニスを口に含みながら私は今日の予定を確認しました。

「ふむ、ではそれまでに、回診を終わらせなければいけないかな」

「はい、そのほうがよろしいかと、んっ、んんっ……」

 院長の射精に喉を塞がれ、私の台詞が途切れます。院長のズボンや院長室のカーペットを汚さないように、私は院長の精液を一滴もこぼさず飲み下しました。

「では行こうか。今日は内科病棟から回るよ」

「はい」

 院長が身だしなみを整えながら椅子から腰を上げます。私も口元をハンカチでぬぐいながら立ち上がりました。

 メモ用のクリップボードとカルテのコピーを確認していると、突然お尻を振動が襲いました。振り返って院長のほうを見ると、私のアヌスに入っているバイブレーション機能付きアナルプラグのリモコンを手にしています。腰を襲う刺激に思わず膝をこすり合わせると、ストッキングに挟んだ電池ボックスが太ももを刺激しました。

「いくよ、白木君」

 白衣のポケットにリモコンを放り込みながら院長が言いました。

「は、はい、院長」

 最低の強さで小さく振動するプラグがもたらす刺激は、立てなくなったり会話に支障をきたしたりするようなものではありません。私は背筋をしっかりと伸ばし、院長の後ろについて院長室を後にしました。

「んっ、んぐっ、んっ、んんっ」

 私の口からくぐもった声が漏れます。アヌスを一突きされるたびに私は声を上げようとするのですが、口のほうもペニスで塞がれているために出すことが出来るのは呻き声だけです。

 今私は、寺島医院の内科病棟の休憩室で、二人の勤務医に上下を貫かれています。タイトスカートを腰まで捲り上げたお尻にはまだ二十代の若い医師の逞しいペニスが、真っ赤なルージュで彩られた唇には五十代後半のベテラン医師のペニスがそれぞれ進入し、私を使って性欲を発散しようと動きつづけています。

 勤務医の仕事というのはハードワークです。常に患者の命を預かっているという重圧にさらされ、勤務時間中はいつ入院患者の容態の急変や急患があるかも分かりません。勤務時間外も最新の医療技術についていくための勉強や、そうでなければ可能な限り疲労を回復するための休息で終わってしまいます。そのためどうしてもストレスがたまり、また若い医師であれば性欲の発散が不完全で欲求不満になったりもします。

 ストレスや欲求不満を溜め込んだままでは仕事の効率が落ちますし、医療ミスや誤診断を誘発しかねません。そのようなストレスや欲求不満の解消のために、私は毎日院長について院内を回ってはこうして自らの体を使って彼らの相手をしています。

 院長と内科病棟の責任者が集中治療室(I・C・U)の重篤患者について話し合う脇で、私は口とお尻を犯され続けました。

「ひっ、あんっ、ひあっ、ふああっ……」

 先ほどとは違い、今の私の悲鳴は遮られる事無く室内に響いています。

「んっ、涼子さんのおちんちん、はあっ、とってもかたあい……」

 入院病棟の職員用仮眠室のベッドに仰向けになった私のペニスを、私にまたがった看護婦の明日香さんが飲み込んでいます。

「ふふっ、お尻の方はザーメンでぐちゃぐちゃよ。今日は何人分注がれてきたのかしら?」

 私のアヌスを責めるディルドーをもてあそびながら言うのは京子さん、明日香さんの先輩の看護婦です。

「本当は男の癖におもちゃでお尻弄られてよがって、そのくせおちんちんこんなに固くして」

 京子さんはそういって、私のアヌスに突き刺さった極太ディルドーを力任せに押し込みました。

「あっ、ふあっ、ひぎぃっ!」

 ペニスとアヌスを同時に責められて、私はあられもない悲鳴をあげさせられていました。

 入院病棟の看護婦の仕事も、診療科の医師たちに負けず劣らずのハードワークです。ルーチンワークの業務はもちろんのこと、常にナースコールにも気を配っていなければなりませんし、難しい入院患者がいれば仕事の苦労は倍増します。かといって患者に八つ当たりをするなどもってのほかですから、やむをえない事ながらストレスを溜め込んでしまう看護婦も出てきます。

 そのような看護婦のストレス発散の対象として、また性欲を解消するための肉バイブとして、ここでも私は体を提供していました。

 私の精巣には精子の生産能力が無く、したがって私の精液には子供を作らせる能力がありません。性病の類いが無いことは毎週検査されていますから、私のペニスは生でくわえ込んでもまったく安全な生きたバイブレーターというわけです。

 院長と婦長が難しい入院患者について話し合っているナースステーションの奥の休憩室で、私は看護婦たちのおもちゃにされ続けました。

「どうぞ」

「お、こりゃどうも」

 応接用テーブルにお茶を出し、私は来客に会釈をします。今日のお客様は町内に店舗を構える工務店の社長です。寺島医院では老朽化した外来病棟の改築が予定されており、そのための打ち合わせに来訪されているのでした。

「……いやあ、弟君から凉ちゃんが急に倒れたって聞いたときは、私もびっくりしましてねえ」

「その節はお力になれず、大変申し訳ないことをしました」

「いやいや、先生たちは全力を尽くしてくれたって、弟君から聞きましたよ」

 必要な打ち合わせが終わり、院長とお客様は雑談をされています。その会話を小耳に挟みながら、私はなぜか心の奥底がざわめくのを感じました。

 そのざわめきは、私に不安をもたらすものでした。何か大事な、だけど今の私を壊すような――そんな不安が私の心を締め付けました。

 私はその不安を忘れるために、最愛の人物のことを考えました。私の最愛の人物、それは弟の和也です。

 和也は今日は遅くなるはずだから、私のほうが先に帰宅することになるはず、どうやって和也を出迎えてあげようか――いっそのこと裸エプロンとかどうだろうか、いやいやそんな新婚夫婦みたいな、いやそれもいいじゃないか――そんなことを考えていると、いつのまにか重苦しいざわめきはすっかり影をひそめていました。

「それじゃ、工事の開始は予定通りって事で」

「ええ、よろしくお願いしますよ」

 いつのまにか院長と社長の雑談も終わり、二人は別れの挨拶を述べていました。

 社長を駐車場まで案内しながら、私は裸エプロンを見たときに和也がどんな顔をするかを想像していました。

● ● ●

 ――ずぶり、と和也のペニスが私を貫く。

「あっ、あああっ!」

 突っ伏したリビングテーブルの上で体が滑り、敏感になった乳首の先端がエプロンの裏地にこすれてびりびりとしびれるような快感を送り込んでくる。テーブルと和也の間に挟まれてお尻を固い肉棒で貫かれ、私は前にも横にも後ろにも逃げることは出来ない――もちろん逃げるつもりなど無いのだが。

 肛門がびくびくと収縮し、直腸全体で和也のペニスを味わう。私のペニスもふるふると震え、エプロンの前垂れの裏地に先走りを染み込ませる。終わったらエプロン洗濯しなくちゃ――頭の片隅にそんな所帯じみた考えが浮かぶ。

 ずるり、と直腸を埋め尽くしていたものが引き抜かれ、体の中身を引きずり出されるような感覚に襲われる。次の瞬間、ずしん、という擬音が似合いそうな勢いで体内を抉られ、胃腸を突き上げられたような衝撃を受ける。

「はっ、はっ、はっ、はっ……」

「んっ、あんっ、んくっ、うあっ!」

 抽送はたちまち加速し、私は絶え間の無い喘ぎ声と嬌声を上げさせられることになる。

 一突き毎に直腸と肛門で快感が爆発し、それが骨盤で共鳴してペニスの裏側で再度爆発する。膝からは力が抜けて内股になった両足はがくがくと震え、背筋を駆け上がった電撃が頭蓋の中心でスパークして目の奥で火花が散っているような気がする。

 乳房は私自身の体重で押し潰され、上下する体の動きによってこねくり回されている。尖った乳首と、同じく怒張しきったペニスの先端はエプロンの裏地でこすられ、神経にやすりでもかけられているように感じられる。

 内外の気持ちのいいところすべてから同時に刺激を受け、私は神経が焼ききれそうな快感に満たされた。そして肉体と同時に、精神も幸福感という心の快感に満たされる。

『和也のおちんちんが私を犯してる』

『私を犯して和也が気持ちよくなってくれている』

『もうすぐ和也のザーメンが、私のケツマンコいっぱいにしてくれる……』

 およそ言葉にすればこのような思いが、私の中をぐるぐると巡っていた。

「はっ、はあっ、姉さん……」

「あっ、あんっ、私のお尻、ケツマンコ、和也の形になっちゃう、和也のおちんちん専用になっちゃう!」

「ああ、俺の形にして、ザーメンたっぷり染み込ませて、俺のチンポ専用ケツマンコに、してやるよ!」

 私の撒き散らす淫語に反応したのか、ついに和也が果てる。体内にぶちまけられた熱い精にこんどは私の体が反応し、全身を痙攣させながら尻穴で和也のペニスを絞り上げる。

「うっ、くっ!」

「ふあっ!」

 リビングテーブルに突っ伏して全身をがくがくと震わせながら、私は雄に征服された雌だけが感じることの出来るエクスタシーに酔いしれた。体内に注がれた子種の熱さがはらわたに染み入るように感じられ、それにつれて精液自体が全身に染み込んでいくような錯覚を覚える。

「あは、あはは、和也のザーメン、私の中に、入ってきてる……」

 尻穴から溢れ出る和也の精液と、私自身の精液に下半身を汚しながら、私は雌の陶酔感におぼれていた。エクスタシーが私の心を塗りつぶし、和也に組み伏せられ、犯されることだけを望ませる。

 ふと思い出し、自分の心の奥底に耳を澄ませてみた。時折聞こえるあの声――「どうしてこうなってしまったんだろう」という疑問、私を不安にさせるあの声は、もはやどこからも聞こえてはこなかった。

―了―