Blue Roses Garden > オルガの日記 > 第二話 Game & Prize

Game & Prize

「ふふふ、今日はちょっとしたゲームをしましょうね」

「オルガちゃんは勝てるかな?」

「ゲーム、ですカ?」

 ソファに座る私に向かって、ご主人様達が嬉しそうに言います。その横では、サキちゃんもニコニコしながら私を見ています。

 ここはショーパブ「マグナハウス」の舞台の上。舞台の上にいるのは、私と、私のご主人様たち。

 私の名前はオルガ。ロシア人の父と、日本人の母との間に生まれました。今の国籍は日本ですから、ロシア系日本人という事になります。

 レザーボンデージ衣装を着た見た目のそっくりな二人が、朝霞マキさんとミキさん。お店の女王様にして、私のご主人様です。根がMの私は、二人にすっかり調教されてしまい、今では何を言われても絶対服従の身の上です。

 もう一人、バニーの衣装の子がサキちゃん。私の恋人兼ご主人様です。サキちゃんは、マキさんとミキさんのM奴隷兼私のご主人様兼恋人という、ちょっと複雑な位置にいます。

 普段の私とマキさん、ミキさんはフロアホステス、サキちゃんはフロアアシスタントのバニーです。ですが今、私達は舞台の上にあがっています。今夜のショウのステージ要員という訳です。

 お客様たちの視線が、私達を注視しているのが感じられます。正直とても恥ずかしく、その視線を意識しただけで赤面しそうになります。しかし、それと同時に、妖しい期待感のようなものも感じられます。

 恥ずかしさと期待感に、二重の意味でドキドキしながら、私はご主人様の言葉に耳を傾けます。

「ゲームの内容は簡単よ」

「目隠しをして、ちょっとした当て物をするだけ」

「ハァ」

 そういわれても安心することは出来ません。意地悪なご主人様達のこと、正解出来そうもないような物を出してきて私を虐めるつもりです。

 とは言っても私に拒否権は有りません。それに虐められるといっても傷つけられたりするわけでもなく、恥ずかしいながら気持ちのいいことをされるだけのことです。しかし楽観的に考えながら相槌を打った私は、次の言葉に不意を打たれてしまいました。

「その代わり、外したらペナルティよ」

「しかもオルガちゃんじゃなくてサキちゃんに罰ゲームを受けてもらうからね」

「エ、そんナ!」

 ご主人様達の言葉に私は慌てました。私ならいくら辱められてもかまいません。でも、サキちゃんが、となると話は別です。

「それが嫌なら外さなければいいのよ」

「オルガちゃんが正解したらそこで終わりよ」

「オルガさん、頑張ってくださいね!」

「ウ、ウン、頑張るワ……」

 軽いパニック状態の私は気がつきませんでした。

 正解してゲームが終わってしまったら、ショウになりません。

 つまり、このゲームは絶対に正解出来ないようになっている、という事です。

「じゃあサキちゃん」

「オルガちゃんに目隠ししてあげて」

「はい」

 サキちゃんが私の後ろに回ると、黒い皮製の目隠しをかけてきます。たちまち私は視界を奪われてしまいました。

「大丈夫ですか? きつかったりしませんか?」

「大丈夫ヨ。アりがとウ」

 サキちゃんが離れていく気配がします。さて一体、何の当て物をさせられるのでしょう? 緊張のせいか、鼓動がどんどん速くなってきました。

 私の両手が持ち上げられ、掌を上にして差し出した形にされます。

「じゃあこれからあなたの手にあるものを握らせるわね」

「いくわよ」

「ハイ」

 ご主人様達の言葉に答えた直後です。私の掌に、何か柔らかくて暖かいものが乗せられました。左右に掌の上に一つずつ。円筒形で、体温より少し熱いぐらいで――。

 ……。

 …………。

 どう考えても、これは男性の……。

「オ、オちんちん、ですカ?」

 恥ずかしさを堪えて言葉にします。

「そう。まあそれはすぐ分かるわよね」

「本題はここからよ」

 わたしの左右すぐそばから声がします。そうすると、これはご主人様達のペニスなのでしょう。私は左右に立つご主人様達のペニスを両手で捧げ持った状態というわけです。

「本題、ですカ?」

「そうよぉ」

「外したら、あなたの替わりにサキちゃんにお仕置きよぉ」

「ハ、はイ……」

 緊張します。声が上ずっているのが自分でもわかります。

「さて、今オルガちゃんが持っている私達のおちんちんは」

「右手と左手、どっちがどっちのおちんちんでしょう〜?」

 ……え? つまり、どちらがマキさんのペニスでどちらがミキさんのペニスか当てろ、という事で――。

 ……。

 …………。

 無理です。無理無理。絶対無理です。

「ソ、ソんなの、無理でス!」

「あら、ギヴアップかしら?」

「それならオルガちゃんの替わりに、サキちゃんにお仕置きね?」

「ソ、ソんナ……」

 理不尽な状況に、眩暈がしそうになったときでした。

「オルガさん、頑張って!」

 サキちゃんが私に声をかけてくれました。

 そうだ、ここで頑張らなくちゃ、サキちゃんがお仕置きされちゃう。

 そう考えた私は、掌の上のペニスの特徴を求めて、必死になりました。

 どこかに違いがないか、両手で竿部分を握って探って見ます。しかし、掌に感じられる感触は左右全く同じで、区別がつきません。すこしでも違いがないか、亀頭部から付け根までを指先でつまむようにして探ってみました。

 そうやって弄っていると、二本のペニスが私の手の中でだんだん硬くなってきました。その具合に違いがないか、私は二本のペニスの具合に神経を集中してみました。しかし、二つは全く同じ調子で硬さが変化し、区別がつきません。

 そうこうしているうちにすっかり硬くなってしまったご主人様達のペニスは、二本ともピンと立って真上を指しています。

「うふふ、オルガちゃんのせいで私達のおちんちん、ビンビンになっちゃったわ」

「あはは、オルガちゃんはおちんちん弄るの上手ね」

「ソ、ソんな事……」

 ご主人様達が私を嘲弄します。

「ほらほら、判らないのかなぁ?」

「もうギヴアップかしらぁ?」

「マ、待ってください、まダ!」

 そうは言いましたが、全く区別がつきません。両手にペニスを握っておろおろする私に、今度はサキちゃんが声をかけてきました。

「オルガさん、形で判らなかったら、味を見てみればいいんですよ!」

「あら、サキちゃんたら」

「ナイスなアドバイスかしら」

 私は一瞬ためらいましたが、意を決するとまずは右手で掴んでいたペニスの先端を舌で舐めてみました。汗の臭いと、先端から少量が溢れていた先走りの味と、かすかな石鹸の香りが感じられます。続いて左手で持っていた方に口をつけます。しかし感じられた味とにおいは、右手の方と全く同じです。

 もう一度右手の側に口をつけ、その味と臭いをしっかり頭に刻みます。続いて左手の方に舌を這わせ、直前の記憶と比較します。しかし、私に感じられる限りその二つは全く同じ物で、さっぱり区別がつきません。

 あせる私に、再びご主人様達が声をかけます。

「ずいぶん熱心にしゃぶるのねえ」

「そんなにおちんちんの味が気に入ったのかしらあ?」

「チ、違いまス……」

「さあ、そろそろ時間切れよ!」

「どっちがどっち!?」

 判りません。全く区別がつきません。追い詰められた私は、勝率半分の賭けに出ざるを得ませんでした。

「……コっちが、マキさんでス」

 左手を離し、右手で掴んでいるほうのペニスを軽くさしあげます。一瞬の沈黙がありました。

「「……ブー! 残念でしたあ!」」

 左右からステレオで外れを宣告されてしまいました。予想通りというか、ご主人様達の声はとても嬉しそうです。

「ふふふ、残念だったわね」

「それじゃあ早速罰ゲームよ」

「あっ、助けてくださーい!」

 サキちゃんの悲鳴に、私は慌てました。急いで目隠しを取ります。

 私が目にしたのは、ご主人様達に左右から羽交い絞めにされて両手を吊り上げられ、胸と股間をまさぐられるサキちゃんでした。

「マ、待ってくださイ! サキちゃんをどうするんですカ!?」

「どうってそりゃあねえ」

「ねえ」

 ご主人様達がにやりと笑いながら含み笑いをします。あの笑いの後には、いつもとても恥ずかしい(だけどとても気持ちの良い)仕打ちが待っています。しかし今日は、それが私ではなく、サキちゃんに向かうのです。

「オ願いです、サキちゃんの替わりに私をお仕置きしてくださイ!」

「あらあ、自分からお仕置きして欲しがるなんて」

「オルガちゃんの変態マゾの血が騒ぐのかしらあ?」

「! チ、違います! トにかくサキちゃんを放しテ――」

 ソファから立ち上がり、三人のほうに向かおうとしたときでした。

「「おすわり!」」

 ご主人様達の鋭い声が飛びました。

 それを聞いた瞬間、私は硬直してしまいました。

 膝から力が抜け、崩れるようにソファに座り込みます。

 もう一度立ち上がろうとしても、足腰に力が入りません。

「動いちゃ駄目よ」

「そのままそこで見ていなさい」

 ご主人様達の命令に、私の体は金縛りにされてしまいました。サキちゃんを助けたいのに、体が言う事を聞きません。ご主人様達に明確に『命令』されると、条件反射的に体が従ってしまうのです。

「あん、オルガさん、助けてえっ!」

「サキちゃン!」

 サキちゃんが私に助けを求めてきます。しかし金縛り状態の私には、声をかける事しか出来ません。

 ご主人様達の手がサキちゃんの衣装の胸元にもぐりこみ、あるいは股間を撫で回しています。サキちゃんは身悶えしながら悲鳴を上げています。

 大事な恋人が目の前で陵辱されようとしているのを、私はなすすべもなく眺めているしか有りませんでした。

 勿論、理性では理解していました。

 これはあくまでステージでのショウ、アトラクションです。ですからご主人様達も本気でサキちゃんをどうこうしようというつもりではないですし、サキちゃんも納得ずくのはずです。

 打ち合わせのときに今日のステージ内容を聞いた私に、サキちゃんは『秘密です!』と言いながらいたずらっぽく笑っていましたから、ショウの内容や進行は全て聞かされていたのでしょう。

 それは、頭では理解出来ます。それでも――

「やっ、いやあっ! 助けてっ、オルガさあん!」

「サキちゃン、サキちゃあン!」

 サキちゃんの悲鳴を聞くと、それが演技だとわかっていても私の胸は張り裂けそうになります。

 私の目前で、マキさんがサキちゃんの背中のジッパーを下ろし、ミキさんがボディスーツを引きおろしています。内側につけられたパッドの重みでスーツの前が垂れ下がり、サキちゃんのまだ男の子のままの胸が露になりました。

「やあん、オルガさん、胸、見ないで……」

「サキちゃン……」

 サキちゃんが恥ずかしそうに俯きます。

 その間にも、ご主人様達がどんどんサキちゃんの衣装を剥ぎ取っていきます。ボディスーツの股間部のボタンが外されると、そのまますとんと足元まで落ちてしまいました。

 バニーの衣装は下着の線が外に出ないように、アンダーはぎりぎりのサイズのいわゆる紐パンツだけです。

 サキちゃんは、胸はむき出し、下は小さなショーツだけ、それに太ももまでの網ストッキングとキャットガーター(太ももで止めるガーター)の姿を晒しています。セパレートのカラーとカフス、ハイヒールのシューズ、そして兎耳のヘッドドレスはそのままなのが、かえってエロティックな印象を増幅しています。

 俯いているので髪に隠れて表情は見えませんが、サキちゃんが小さく首を振るたびに兎の耳がゆれています。

「胸、見ないでください……」

 サキちゃんが蚊の鳴くような声で言います。

「ウン……」

 それに応え、視線を逸らせようとした時でした。

「「駄目よ! ちゃんと見てなさい!」」

 またもやご主人様達の鋭い声が飛びました。

 その声に、私の体がすくみます。目をそらそうとする力とご主人様の命令に従おうとする力が束の間争いましたが、勝利したのはご主人様の命令でした。私の視線が三人の姿に釘付けになります。

 私の視線を確認すると、ご主人様達はサキちゃんへのアプローチを再開しました。

 今マキさんとミキさんは、左右から片手でサキちゃんの腕を一本ずつ吊り上げた形になっています。

 二人はまず、サキちゃんの脚に自分達の脚を絡めると、横に開かせました。腕のほうは、後ろ手にして左右から押さえ込んでいます。

 そして、サキちゃんの胸をマキさんの空いている方の手が襲います。ミキさんの手は、サキちゃんの股間に迫りました。

 がっちり拘束された半裸のバニーを、左右からボンデージ衣装の二人が責めています。捕らえられた子兎は、耳や頬や首筋を舐めまわされ、乳首をつねられこねくり回され、ペニスを弄ばれています。

 サキちゃんのペニスはあっという間に固くなり、ショーツからはみ出した先端から早くも透明な蜜をこぼれさせています。息遣いは速く、荒くなり、両膝はがくがくと震えています。

 二人の巧妙な責めが、サキちゃんを苛んでいるのがわかります。サキちゃんが逝きそうになると愛撫がスローダウンし、サキちゃんが少しクールダウンすると再び加速しています。絶頂寸前を維持されて、サキちゃんの理性も崩壊寸前でしょう。

 俯いたままのサキちゃんの口から漏れる声が、私にも聞こえてきました。

「おねっ、お願い、です、もう、いかせて……」

 それを聞いたご主人様達が、にやりと笑いました。

「あらあ、ウサちゃんはもうギヴアップかしらあ?」

「それでどうして欲しいのかなあ?」

 意地悪な質問に、サキちゃんが大声で答えます。

「しゃ、射精させてください!」

 それに対する応えは、更に意地悪なものでした。

「ふふっ、まだ駄〜目!」

「くすくすっ、だってこれはお仕置きなんだから!」

「あんっ、そ、そんなあ……」

 唐突に、マキさんとミキさんがサキちゃんを解放しました。サキちゃんが崩れ落ちるようにステージの上に座り込みます。

 座り込んだサキちゃんの前に、二人のペニスが突きつけられました。ぼんやりとそれを見つめるサキちゃんに、二人の言葉がかけられます。

「お口でして頂戴」

「満足させられたら、あなたもいかせてあげる」

 しばらくぼうっとしていたサキちゃんが、やがてのろのろと動き出しました。

 両手で二本のペニスを掴むと、その先端をあわせます。二つの亀頭にキスをするように唇をつけると、舌を出してゆっくりと舐め始めました。

 片方の先端を舐めながら、もう片方の竿をゆっくりしごく。

 片方を口に含みながら、もう片方の先端を親指でこじる。

 片方の竿を舐め上げながら、もう片方の睾丸をそっともみしだく。

 二本の先端を合わせて、唾液をたっぷり乗せた舌で舐め上げる。

 やがて、サキちゃんの熱心な口唇愛撫に、ご主人様達も限界を迎えたようです。

「んっ、上手よ、ウサちゃん」

「くっ、出してあげるから、たっぷりお飲みなさい」

 どぷっ、どぷっ。

 サキちゃんの目の前の二つのペニスから、白い液が吐き出されました。サキちゃんは大きく口を開けてそれを受け止めましたが、一部が鼻の頭や頬に飛び散りました。

 やがてご主人様達の射精が収まると、サキちゃんは二本のペニスを順番に咥えました。残った精液も全て吸い出し、飲み込んでいるのが外から見てわかります。

 全てが終わると、再びサキちゃんは哀願しました。

「お願いです、私のも、出させて……」

 ご主人様達がそれに応えました。

「ああ、それはあっちにお願いして頂戴」

「オルガちゃん、もう動いていいわよ」

 それを聞いた次の瞬間、私はソファから立ち上がり、サキちゃんのもとへ駆け寄っていました。

「サキちゃン、ダいじょうブ!?」

 ステージにぺたんと座り込んだサキちゃんの両肩を掴みます。サキちゃんの目を覗き込むと、ぼんやりした目で私を見つめ返してきました。

「……オルガさん、私、おちんちん、変になっちゃいそうです!」

「エ? キャッ!」

 サキちゃんが私にのしかかります。不意をつかれた私は、ステージの上に押し倒されてしまいました。

「オルガさん、あんっ、オルガさあん!」

「サ、サキちゃん、落ち着いテ!」

 両手をついて座り込んだ私の左足の上に乗ったサキちゃんは、私の太ももに硬くなっているペニスをこすりつけています。その仕草は、射精をしたいのにどうしたらいいのかわからない、といった感じです。

「はい、これ」

 どうしたらいいのか判らずおろおろする私の前に、ローションのミニボトルが差し出されました。

「ほらほら、早くしないと」

「サキちゃんが変になっちゃっても知らないわよお」

「ハ、ハイ」

 私はマキさんからボトルを受け取ると、サキちゃんを一旦引き離しました。

「あん、オルガさあん……」

「チョっと待ってね、サキちゃン」

 ドレスのミニスカートの下に手を突っ込んで、ショーツを抜き取ります。次にローションを掌に出し、反対の指先に掬い取ります。指をアヌスにもぐりこませ、入り口から中までを、しっかりと潤わせました。残りをアヌスの入り口付近にも塗り広げ、スムーズに挿入できるようにします。

 準備が終わると私はうつ伏せになり、お尻をサキちゃんに向けて突き出しました。

「イいわよ、来テ……」

「オルガさあん!」

 サキちゃんは私に飛びつくと、叩きつけるような勢いでペニスを私の中に突き込みます。一瞬の静止の後、私のアヌスの中をサキちゃんのペニスが往復しはじめました。

 直腸を抉られ、肛門粘膜をこすり上げられ、前立腺を中からつつかれ……。激しい責めに、私のペニスも涎をこぼして喜びます。

 十数回ほど往復した時でしょうか、最初から限界寸前だったサキちゃんのペニスが爆発しました。

 アヌスの奥に、熱い迸りを感じます。

 一番奥まで差し込まれたサキちゃんのペニスが、ビクビクと震えているのが伝わってきます。

 サキちゃんが背後から、私にしがみついてきます。

 やがて、すっかり満足したサキちゃんが私の背中から離れました。同時にペニスも私のアヌスから出て行きます。

 後ろを振り返ると、サキちゃんはステージの上に座り込んで肩で息をしています。その顔には、まだマキさんとミキさんの精液が付いたままでした。私はサキちゃんを抱き寄せると、その頬と鼻の頭をそっと舐めて綺麗にしてあげました。

「あらあら。母犬が子犬の世話をしてるみたいね」

「ふふふ。ペットにぴったりの光景ね」

 後ろから、マキさんとミキさんの声が聞こえました。ソファにならんで座った二人が、私達を見ながら笑っています。

「……イくらショウといっても、サキちゃんをこんなに虐めるなんて酷いでス」

「あらあ、奴隷のオルガちゃんが私達に意見するのお?」

「へええ、サキちゃんのこととなるといい度胸ねえ?」

 そういわれてしまうと、反論はできません。『マキさんとミキさんの奴隷になる』と、私は自分から約束してしまったのですから。それでも奴隷なりの精一杯の抗議の意思を込めて、私は二人をにらみ据えました。

「あらあら怖いわねえ」

「反乱でも起こされそうね」

「でもオルガちゃんはちょっと勘違いしてるみたいね」

「今夜のショウの主役はサキちゃんじゃないわよ」

「エ?」

 思わず間の抜けた声を上げた私に答えたのは、私の胸に抱かれていたサキちゃんでした。

「今夜の主役はオルガさんですよ」

「ア、サキちゃん。モう平気?」

「はい。それで今夜のショウですけど、メインの見世物は私じゃなくて、私が責められてるのを見ておろおろしてるオルガさんです!」

「……ハ?」

 ようやく私は、今夜のショウの趣旨を理解しました。最初の当てものが無理難題だったのも道理です。『私のせいで責められるサキちゃんを見ておろおろする私』が出し物だったのなら、最初に正解してしまったら話が進みません。

「ソれじゃあサキちゃんも、最初からわかってたのネ?」

「はい、勿論。打ち合わせはきちんとしてましたから――あれ、オルガさん? 怒りました?」

「シらないッ!」

 私はぷいっと横を向くと、サキちゃんとご主人様達から視線をそらしました。

「ああん、そんなに怒らないでよ、オルガちゃあん」

「ほらほら、お茶目なジョークみたいなものよ」

「そんな顔してると美人が台無しですよ〜!」

 三人が笑い混じりに私をなだめてきます。私にしても別に本気で怒ったわけではなく、ほんのちょっと拗ねたジェスチャーをしてみただけです。

「……キスしてくれたら許してあげル」

「はい!」

 ちゅっ。

 サキちゃんが体を起こすと、私の唇に自分のそれを重ねました。

「それではこれにて!」

「本日のステージはおしまいっ!」

 私とサキちゃんのキスを合図に、マキさんとミキさんがステージの閉幕を宣言しました。

―了―

*** Back stage ***

川 ^∀^)^∀^)
  「さて、それはそれとして」

ノル ・_・ル
  「ハイ?」

川 ^∀^)^∀^)
  「今日はずいぶんと反抗的だったわね? オルガちゃん?」

ノル;・_・ル
  「エ? イ、イエ、アれはそノ」

川 ^∀^)^∀^)
  「サキちゃんはどう思う?」

ノル ・ヮ・)ノ
  「はいはーい、反抗的な奴隷には再教育が必要だと思いまーす!」

川 ^∀^)^∀^)
  「そうよねー」

ノル;・_・ル
  「ア、アノ、エえっト」

ノル ・ヮ・)
  「今夜は三人がかりできっちり教育してあげますね!」