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ユキのハッピーバースデイ

「ただいま……」

 誰もいない家に向かって帰宅を告げる。当たり前だけど、何の返事もない。以前だったらお姉ちゃんが僕より先に帰っていることもあったけど、今お姉ちゃんは家を出て一人暮らしをしている。母さんは今日も帰ってこない。今、家には僕一人だ。

 今日は金曜日。そして僕の誕生日。

 お姉ちゃんは僕の誕生日を忘れちゃってるんだろうか。別にパーティを開いてほしいとかプレゼントがほしいわけじゃないけど、『おめでとう』の一言ぐらいほしかった。ちょっとブルーになりながら、二階の自室に向かう。

 制服を脱いでジャケットをハンガーにかけていると、ズボンのポケットの携帯が短いメロディーを奏でた。メールを確認する。

「あ!」

 お姉ちゃんからだった。

『ユキへ

7:00に私のマンションに来なさい』

 これだけだった。送信先が『祐樹』ではなくて『ユキ』になっているのは、女の子の格好をして来い、という合図だ。七時まで時間は十分にある。僕は替えの下着(もちろん女物)を用意すると、まずシャワーを浴びるためにバスルームにむかった。

● ● ●

「いってきまーす」

 やっぱり誰もいない家に向かって告げます。ユキの声は虚しく無人の家に吸い込まれていきました。忘れ物が無いか確認します。お財布や携帯のほかに、今日は手作りクッキーを持っていきます。かなり上手に出来た自信作です。割れないように気をつけなきゃ。

 玄関に鍵をかけ、家を出ます。駅に向かって歩きながら、これからのことを想像しました。

『お姉さまはやっぱりユキの誕生日のこと忘れてなかったんだ』

『パーティでも開いてくれるのかな? もしかしたらアキ先輩やリカさんも来るのかも』

『こんな時間って事は、お泊まり確定よね。「今夜は帰さないわよ」とか言われたりして♪』

 うきうきした気分出歩いていたら、あっという間に駅についてしまいました。改札を通る間も、ホームで電車を待っている間もちょっと夢見心地です。

 電車は満員というほどではありませんでしたが、シートは全て埋まっていて、立っている人もかなりいました。お酒くさい人もかなりいます。せっかくのおめかしやお土産が台無しになってはたまりません。ドアの脇の手すりにつかまって、お酒くさい場所からなるべく離れます。

 そのまま三駅を通り過ぎ、目的の駅につきました。駅を出て五分ほど歩くとお姉さまのマンションです。エントランスのインターホンで、お姉さまの部屋をコールします。

『はい?』

「お姉さまこんばんは、ユキです」

『あ、待ってたわよ。あがって』

 ロックが解除されました。エレベーターホールに入るとケージはちょうど一階に来ていました。三階のボタンを押すと、上がるのを待つ間にパネルの脇の鏡で身だしなみをチェックします。お化粧良し、髪型良し、リボンも良し。完璧でした。

 ケージが3階に止まりました。お姉さまの部屋に向かって歩きながら、手作りクッキーは喜んでもらえるかな、と、ちょっとどきどきしてきました。

 ピンポーン

 ドアの脇のインターホンのボタンを押すと、絵にかいたような音のチャイムが鳴りました。

「いらっしゃい」

 お姉さまが出迎えてくれます。お姉さまの格好は、あっさりした麻のシャツとデニムのジーンズでした。

「こんばんは、お姉さま」

 靴を脱いでスリッパに履き替えた直後。

「早速で悪いんだけど、こっち来て」

 いきなりです。

「え、ええっと」

「早く」

 急かされます。そのまま手を引かれて、奥の部屋に連れて行かれます。こっちはベッドルーム……。

「やだお姉さま、そんな急に、まだ心の準備が」

 有無を言わさず、ベッドに座らされてしまいました。手作りクッキー、まだ渡してないのに……。

「これつけて頂戴」

 アイマスクを渡されます。お姉様ったら大胆、今日は目隠しプレイなのかしら、などと思いながら、渡されたアイマスクで自分に目隠しをしました。

「いいわよ、入って」

「……え?」

 直後に起こったことを、ユキはすぐには理解できませんでした。

 お姉さまが言葉を発した直後、誰かがベッドルームに入ってきました。ユキの両腕がつかみ上げられ、SMプレイ用の革手錠で後ろ手に拘束されます。ベッドにうつぶせに押し倒され、両足首もベッドの足元のバーに固定されます。あっという間にベッドの上に拘束されてしまいました。

「おっ、お姉さまっ、一体」

 そこまで言ったところで、頭と顎を押さえられました。フェイスクラッチマスクの開口具が押し込まれ、言葉が出せなくなります。

「んー! んー、んんーっ!」

 うつぶせのままもがくユキのスカートが捲り上げられました。

「! んあー、んーっ!!」

 何とか逃れようとしますが、両足を縛り付けられていてはろくに身動きできません。パンティにも手がかけられ、ずり下げられてしまいました。お尻が空気にさらされます。

 アイマスクの下の両目から涙がにじみます。

 なんで? どうして? 何故こんな目にあうの? お姉さまはどうしちゃったの?

 フェイスクラッチマスクに押し広げられた口では、そんな疑問を言葉にすることも出来ません。虚しくうめき声があがるだけです。

 お尻にひんやりとした感触がありました。ユキもよく知っている感触。アキ先輩やリカさんに抱かれるときに必須のもの。アナルローションです。

 アヌスの周りにたらされたローションがユキの中に押し込まれてきます。ユキの後ろにいる人がローションにまみれた指を押し込んできているのです。知らない人に体内に侵入されているという事実に、ユキの背筋に悪寒が走ります。

 ユキの中に入っている指が、中からマッサージするように動き回ります。その動きはとても巧みで、お尻を責めるのに慣れているとしか思えません。指先でつつかれた前立腺から甘美な刺激が走ります。指で犯されている恐怖から来る悪寒と巧みな責めによる快感。相反する信号が体内を走り、ユキの感覚を混乱させました。

 追い討ちをかけるように、上半身にも刺激がくわえられます。ユキとベッドのマットレスの間に手が入り込み、ユキの胸をもみ始めました。

 ユキのバストサイズは最近ではAカップぎりぎりで、これ以上育ったらブラジャーを買い換えないといけないところまできています。サイズはまだあんまり大きくないけれど、形は綺麗だと自分では思います。その密かに自信を持っている胸が、容赦無くもみしだかれます。

 お姉さまにいじられたりアキ先輩たちに吸われたりして、ユキの胸はすっかり性感帯になっています。悦ぶことを知っている胸を責められ、乳首がはしたなく立っていきました。

 無理矢理されているのに感じてしまう自分の身体が情けなくなりました。結局上手に責めてくれれば誰でも良いのかと、そんな風に考えてしまいます。

 上下からの巧みな責めに、ユキのおちんちんが勃起してきます。おちんちんへの刺激を逃がすために腰を浮かせると、お尻を責める指を自分から迎え入れる形になってしまいます。いつに間にか二本に増えた指が、さらに巧みな動きでユキを責めます。裏側からの刺激に、ユキのおちんちんははしたなくよだれをこぼしていました。

「……そろそろいいみたいね」

 お姉さまの声が聞こえます。頷く気配があって、お尻と胸を責めていた手が離れていきました。続いて足首の拘束が解かれます。

 これで終わり? と思ったのもつかの間、ユキの腰が引きずり上げられました。ベッドに上半身を落として、お尻を突き出した姿勢にさせられます。ユキの後ろで、ズボンのベルトを外すガチャガチャという音がしました。次になにがおきるのかは明白です。

 犯される。

 血の気が引きました。逃げようとしますが、先ほどまでの責めですっかり下半身の力が抜けています。腰が抜けたようになっていて、まともに動くことが出来ません。 そうこうしているうちに、後ろにいた人がユキの両足の間に入ってきました。腰が捕まえられます。這いずるようにして逃げようとしましたが無駄でした。おちんちんの先端がアヌスにあてがわれます。

 最後の抵抗のつもりでアヌスにぎゅっと力を入れます。けれどそれも無駄でした。おちんちんの先端でぐりぐりされると、アヌスから腰がとろけるような快感が湧き起こります。何度かえぐるようにつつかれてユキのアヌスは勝手に降伏してしまいました。綻んだアヌスを押し貫いて、おちんちんがずぶずぶと入ってきます。こうなるともう駄目です。ユキのアヌスは喜んでおちんちんを飲み込んでしまいました。

 さらに、ユキの上半身が持ち上げられ、前にいた人の太ももの上に載せられました。正座をしている相手の太ももの上にうつぶせになる形です。

 開口器具で閉じられなくされているユキのお口に、おちんちんがねじ込まれます。

 上下を同時に犯されて、ユキは串を打たれた鮎のようになってしまいました。前にも後ろにも逃げられないし、横に逃げようにもしっかり捕まえられています。

 ユキのお尻を犯している人が動き始めました。ゆっくりと、おちんちんがアヌスを出入りし始めます。

 亀頭が直腸の内壁を擦りながら後退していきます。同時に竿の部分が肛門の粘膜を引きずり出そうとします。亀頭が肛門の裏側にぶつかり、その場所で停止しました。

 今度はゆっくりと押し入ってきます。先端が前立腺を圧迫し、ユキの中に快感を送り込みました。やがて一番奥まで到達すると、つき当たりをぐりぐりと抉ります。一番感じる部分を突き上げられると、前立腺から送り込まれた快感がさらに膨れ上がりました。

 ゆっくりとした動きの繰り返しながら、ユキの気持ち良い場所を的確に責めてきます。ユキはなすすべもなく高ぶらされていきました。

 お口のほうの人はほとんど動きません。それでも、こじ開けられたお口の奥のほうまで侵入したおちんちんはユキの中を容赦無く犯しています。息苦しさに首を振ったり舌で何とか押し出そうとするたびに、おちんちんがビクンと震えて先走りの液をユキの口内にたらします。

 お尻とお口と同時に、胸とおちんちんも責められています。

 お口を犯している人の両手が、ユキの乳首をつまんでいじります。指の先で転がされたり、ぎゅうっとつままれたり、時にはつねり上げられたり。乳首攻めを繰り返していたかと思うと、今度は掌全体で乳房を柔らかく揉んできたり。変化に富んだ責めが、ユキのおっぱいをひと時も休ませてくれません。

 後ろからは、お尻と同時にユキのおちんちんが責められています。竿を握ってしごいていたかと思うと親指の腹が亀頭を擦り、ユキの先走りを塗り広げます。ぬるぬるになった亀頭が握り締められ、そのまましごき上げられました。

 やがてお尻を犯す動きが激しくなっていきました。いやらしい水音と、肉同士が打ち合わされる音が響きます。胸とおちんちんへの責めもどんどん激しくなり、苦痛に感じる一歩手前、ぎりぎり快感に感じる範囲に収まるところまでエスカレートしました。

 激しい全身責めに、ユキの身体は否応なく高ぶらされます。快楽が全身を犯し、気持ちいいと感じる以外の思考能力がどんどんなくなっていきます。絶頂は目前でした。上り詰める予感に、ユキの身体が震えます。

 突然、ユキを犯している人たちの動きが止まりました。絶頂寸前でとまった刺激に、ユキは戸惑いました。刺激を求めて、胸をこすりつけ、腰をくねらせました。

「あらあらユキ、はしたないわね?」

 お姉さまの声が耳元で聞こえました。すぐそばから話し掛けているようです。

「やっぱり、こんなはしたないペットは要らないわね」

 ……いま、なんて?

「ねえユキ、私ね――あなたに飽きちゃったの」

 身体がこわばりました。

「だからね、あなたの事、売り飛ばしちゃうことにしたわ」

 全身を耳にしてお姉さまの言葉に集中します。

「このあいだ見た裏ビデオのこと覚えてるでしょう?」

 お姉さまに見せられた、イリーガルのアメリカンポルノのことを思い出します。成人年齢に達していない少年が、どこかのショーステージでヌードダンスを披露したり、筋骨隆々とした大人の男性に犯されていたりするビデオでした。

「ああいうのってやばい組織の資金源なんだけどね、そのブローカーが新しい出演者を探してるのよね」

 お尻とお口を犯すおちんちんの存在が、綺麗に頭の中から吹き飛びました。

「あんたのその中学生みたいな童顔と牛乳瓶でも入っちゃう尻穴なら、すごい高値で売れると思うわ。だからすなおに売られて頂戴ね」

「ああ、アキのことなら心配しなくて良いわよ。あんたがいなくなって落ち込んだら、私が慰めてあげるから」

「それとあんた自身も、薬と調教でしっかりしつけられるから、この先心配しなくても良いわよ。チンポをくわえるかぶち込まれる以外のことは考えられないように、きっちり壊してくれるから」

「うれしいでしょ? 最初は乱交ものかしらね。そのうちレイプものとか、大型犬や馬との獣姦ものとか、ハードSMものとかね」

 お姉さまの言葉が頭の中でぐるぐると渦巻いています。

 飽きたって、どういうこと。お姉さまが喜んでくれるように、恥ずかしいのを我慢しておねだりの仕方とか覚えたのに。苦しいのに耐えてお尻を慣らしたのに。お姉さまがやれって言うことを何でもやってきたのに。

 愕然としているユキの耳に、お姉さまの言葉が聞こえます。

「最後にサービスよ。正気のうちに目いっぱいいっちゃいなさい――いいわ、やって」

 ユキへの責めが、猛烈な勢いで再開されました。冷えていた体があっという間に熱くなります。犯されながら、諦めと――被虐的な快感がユキの中に満ちてきました。

 ――お姉さまはユキに飽きちゃったんだ。

 ――もうアキ先輩ともあえないんだ。

 ――リカさんにもう一回ぎゅってしてほしかったな。

 ――ユキは要らないCDみたいに売られちゃうんだ。

 ――きっと売られていった先では奴隷みたいに扱われるんだろうな。

 ――最後はどうなっちゃうんだろう。

 ――スナッフビデオみたいに、殺されて埋められちゃうのかな。

 お姉さまに見せられた犯罪ポルノ小説を思い出しました。女の人が誘拐されて犯されて、最後は銃で撃たれてなぶり殺しにされるまでをビデオに撮られるお話を、その女の人の視点でつづったものでした。

 縛られてお姉さまにディルドで犯されながら、大きな声で朗読させられました。その女の人になったつもりで読むと、すごくどきどきしたことを覚えています。あれと同じ事になっちゃうのかな、と思うと、妖しい期待感がわいてきます。

 快感と被虐感に押し流され、抵抗する気持ちはなくなってしまいました。もういいや、せっかくだから楽しもう。そう考えたユキは、お尻の感覚に集中しました。

● ● ●

 ……あれ?

 落ち着いて集中してみると、お尻に入っているおちんちんが覚えのある形をしているような気がします。

 お尻に感覚を集中し、おちんちんの形をアヌスで把握していきます。……もしかして、アキ先輩?

 とはいっても、さすがに確信はもてません。大体アキ先輩のほかに形を知っているおちんちんなんて、リカさんか、お姉さまの持っているディルドやバイブしかないのですから。

 確かめてみることにしました。

 自分からずり下がるようにして、腰にお尻を押し付けます。戸惑ったように、腰の動きが止まりました。お尻を密着させたら肛門の力を抜き、同時に下腹部に力を入れていきみます。直腸の上、結腸部が下がり、その境目にある肉の環が亀頭をくわえ込みました。お尻での二段締めです。

 下腹部の力を抜くと、内臓が元に戻るときにおちんちんを引きずり込みます。くわえ込んだおちんちんをユキの胎内でしごき上げます。

 ……この太さ、亀頭の直径、くびれの形、竿部分のバランス。間違いありません、アキ先輩です。

 肛門に力を入れおちんちんの根元を固定します。その状態で腰をグラインドさせ、中で亀頭をこすりあげてみました。

「んくっ!」

 後ろから押し殺した声が聞こえました。

「バカ、しっ!」

 お姉さまが小声で制止しています。どうやら、間違いないようです。後ろがアキ先輩なら前にいるのは多分……。

 お口に入っているおちんちんの先端、尿道口の部分に尖らせた舌の先端を押し当てます。そのまま舌先を抉りこむようにします。さすがに唇がつかえない状態でやるのは難しいでした。リカさんならこれで……。

「ひゃん!」

「あんたも!」

 こちらも間違いないようです。

 そういう事……。

 ユキは猛然と自分から動きました。腰を振ってお尻全部を使ってアキ先輩のおちんちんを責めながら、不自由な口で舌と喉を何とか使ってリカさんのおちんちんを責めます。

 しばらくすると二人も腰を使い始めます。アキ先輩のおちんちんがユキの直腸のさらに奥を抉り、リカさんのおちんちんがユキの喉奥まで犯します。

 ユキもお尻の最奥の一番感じる部分が押し広げられっぱなしの上に、喉奥をつかれて呼吸が苦しく酸欠寸前です。無理矢理犯されている感覚に、身体とは別の部分からぞくぞくする快感が湧き起こります。ふと気がつくと、ユキのおちんちんは精液をだらだらと垂れ流していました。

 突然、アキ先輩の動きが止まりました。同時に、お尻の奥の奥に熱い衝撃を感じます。その衝撃に思わず悲鳴をあげます――勿論、まともな声にはなりませんが。しかしその喉の動きに止めをさされたのか、リカさんのおちんちんも爆発しました。喉奥に直接熱い精液が流れ込みます。食道を流れ落ちるのが感じられました。

 普段より一段奥に精液を注ぎ込まれ、ユキの絶頂も限界に達しました。全身がびくびくと震え、背中がのけぞります。そのまましばらく、三人とも動きませんでした。

 やがて、アキ先輩とリカさんがユキから離れます。

 リカさんのちんちんがお口から出て行くと、ユキは思いっきり深呼吸をしました。柔らかくなったアキ先輩のおちんちんが、お尻の圧力に押されて抜け落ちます。身体の中にぽっかり空洞が出来たような気がしました。

 お尻を上げたうつ伏せの姿勢のユキの顔からフェイスクラッチマスクが外されます。手錠とアイマスクはそのままでした。

「ほらユキ、どうだった? 何とかいいなさいよ」

「おねえちゃあん、もっとお、リカさんもお、もっとしてえ……」

「え?」「ありゃ」「まあ」

 三人分の、びっくりした声がします。途中でばれた事に気付いていなかったのでしょうか。

「ちょっ、ちょっとユキ! どこで気がついたのよ!」

「おちんちんの、形で、おねえちゃんだって……」

 しゃべっているあいだに抱き起こされ、手錠とアイマスクが外されます。開放されたユキはリカさんの胸に寄りかかっていました。

「アキ! あんたのせいでばれちゃったじゃないの!」

「ええ! それボクのせいですか!?」

 二人の会話を聞いていると、突然涙が溢れてきました。

「うっ、ひっく、ぐすっ」

 三人がいっせいにこちらを向きます。

「あっ、これはあのね、ちょっとした冗談なんだから、ほら泣くんじゃないわよ!」

「ごめんユキちゃん、ちょっとびっくりさせるだけのはずだったんだよ、だからほら泣かないで」

「驚かせちゃってごめんなさい、ちょっとしたドッキリのつもりだったのよ」

 三人が一斉にいろいろと言ってきます。それを聞いて安心したとたん、涙が盛大に溢れ出してきてしまいました。

「ううっ、だって本当にっ、ぐすっ、売り飛ばされちゃうと、うっ、そしたらもう、お姉さまにもおねえちゃんにもリカさんにも、ひっく、会えないと、思って、ふえ〜〜〜ん」

 最後は言葉にならず、完全な泣き声になってしまいました。

「ちょ、ちょっと、泣き止みなさいよ、冗談だったって言ってるでしょう!」

「ごめんごめん! ほら大丈夫だから、泣かないで!」

「私たちずっとユキちゃんと一緒よ、安心して!」

 慌てて三人がかりでなだめてきますが、安心すればするほど泣けてきてしまうのでユキにも泣き声が止められません。リカさんの胸にしがみついて大泣きしてしまいました。

「泣かないでユキちゃん! ボク何でも言うこと聞くから!」

「うっ、本当、ぐすっ、ですか?」

「ほんとほんと! だからほら、泣き止んで、ね!」

 胸に抱かれたままリカさんを見上げます。その目をじーっと見つめました。

「私もよ。泣きやんでくれたら、ユキちゃんのお願いなんでも聞いてあげる」

 お姉さまのほうに視線を移します。

「……ああもう、しょうがないわね」

 三人とも、やりすぎたと思っているのでしょうか、ちょっと罪悪感を感じている顔をしています。

 でも、ユキは別にお姉さまたちの事を怒ってはいません。ユキが嫌だと思っているのは、先ほどの『もう売られちゃってもいいや』と思った自分自身です。もしさっきの話が本気だったら、ユキは諦めて自分から身を売っていました。

 もしそんなことになったら、二度とみんなと会えなくなるのに。

 二度とそんなことを考えてしまわないように、ユキの身体にみんなの記憶を刻み付けたいと思います。

「……三人でしてください。ユキを、三人で、いっぺんにして……」

「いっぺんにって……、あれをやってほしいって事?」

「はい。嫌ですか?」

「ボクはかまわないけど……」

 アキ先輩がリカさんと顔を見合わせます。リカさんが一度こちらを見てから、アキ先輩のほうを向いてうなずきました。

 次は、お姉さまにお願いします。

「お姉さま、ユキのクリトリス、お姉さまの手でいじめて下さい……」

「仕方ないわね」

 お姉さまは相変わらずおちんちんは駄目ですが、ユキのおちんちんをいじめるときだけは素手で触ってくれます。アキ先輩やリカさんのおちんちんでも駄目なお姉さまですが、ユキのおちんちんだけは「大きなクリトリス」として触れることが出来るのです。

「じゃあ、おねえちゃん、リカさん、お願い……」

「うん」

「わかったわ」

 アキ先輩とリカさんがベッドの上で向かい合わせに座ります。それから、足を交差させて腰と腰を近づけます。二人の股間が密着して、男女のセックスの松葉崩しか女性同士の 貝合わせに近い姿勢になりました。

 アキ先輩が二人のおちんちんを束ねるように握ります。リカさんがその上からローションをたらしました。二人のおちんちんがぴったりと寄り添い、先端が仲良く天井をにらんでいます。ローションにぬれて妖しく光るおちんちんを見ていると、ユキの心臓がどきどきし始め、お尻に妖しい疼きが感じられてきます。

「……いいよ、ユキちゃん、来て」

 足を踏まないように気をつけて、二人の腰をまたぎます。腰をゆっくりおとしていくと、二本のおちんちんの先端がユキのアヌスに触れました。

「あっ」

 アヌスがめりめりと押し広げられます。

「あっ」

 ずぶり。二つの亀頭がユキの中に入りました。アヌスは限界まで押し広げられています。

「あっ」

 ずぶり。アキ先輩のおちんちんが前立腺を抉りました。リカさんのおちんちんも直腸の背中側をこすります。

「あっ」

 ずぶり。もう二人のおちんちんは半分以上飲み込まれています。目いっぱい押し広げられた直腸が猛烈な圧迫感と拡張感にさらされています。

「あんっ!」

 ずん。ついに、一番奥まで占領されました。さすがにこれ以上は無理です。

「はっ、はあっ、はっ、ふうっ」

「ユキちゃん、大丈夫?」

 アキ先輩が聞いてきます。ユキはアキ先輩の顔を見返すと、にっこり微笑みました。とはいっても身体には力が入らないので、背中をリカさんのおっぱいに預けて寄りかかった 状態ですが。

「ユキの、中っ、お姉ちゃんと、リカさんので、いっぱい、ですっ!」

 ちょっと身動きするだけで、すごい快感が湧き起こります。限界まで押し広げられたアヌスが、その苦しさに比例した快感を感じています。

「まったくユキったら、欲張りね」

 お姉さまがそういいながらユキのおちんちんを片手で握ります。

「ケツマンコに二本いっぺんに突っ込まれてクリトリスこんなにがちがちに勃起させるなんて、ユキはとんだ変態よね」

 お姉さまが言葉でもユキを虐めてくれます。お姉さまに罵られるたびに、ユキの背筋をぞくぞくとした快感が駆け上ります。

「あんっ、ごめんなさい、お姉さま、ユキは、おちんちんで、虐められて、悦ぶ、変態ですっ! お姉さまの、手で、変態ユキを、お仕置きしてくださいっ!」

 きれぎれに何とかそこまで言うと、ユキは自分で腰を振りました。とはいってもアヌスを二本のおちんちんで串刺しにされていて、ほとんど動くことは出来ませんでした。軽く揺さぶる程度の動きです。それでもぎちぎちに詰め込まれたアヌスは猛烈な快感をユキに感じさせます。

 お姉さまの手も、ユキのおちんちんをしごき始めます。腰の動きにあわせて、先走りと精液の混ざった液をローション代わりに、先端から根元までがしごかれました。

「ほら、変態のユキ、いつまで私に手間かけさせるつもり? さっさといっちゃいなさいよ! ほらほら!」

「やっ、お姉さまっ、そんなにされたら、ユキいっちゃいます!」

 ユキはリカさんに寄りかかって背筋をのけぞらせました。リカさんのおっぱいがユキの背中を受け止めてくれます。

 突き出される形になった胸にアキ先輩が吸い付いてきました。こちらも限界まで立っている乳首を、容赦無く吸引されます。

「あっ、いやっ、お姉ちゃん、ユキのおっぱい吸わないでえっ!」

「んっ、でもっ、ユキちゃんのおっぱいは、とっても喜んでるみたいだよ!」

 アキ先輩はそういうと、再び乳首に口をつけます。唇ではさまれ、前歯で甘噛みされ、舌で先端を転がされました。

「きゃあっ、ひゃうっ、あんっ!」

 何かされるたびに甘い悲鳴が上がってしまいます。

「あら、こっちが寂しそうね?」

 お姉さまが反対側の乳首をつまみます。

「アンバランスっていうのは良くないわよね?」

 お姉さまはそういうと、ユキの乳首をぎゅうっとひねり上げました。

「! いっ、いたっ、お姉さま、痛いですっ!」

「あら、でも変態のユキは痛いのも気持ちいいのよね。今、あなたのクリトリスがびくってしたわよ?」

 お姉さまのいうとおりでした。乳首をつねられたとき、痛みと一緒になんともいえない快感が胸から走りました。お姉さまに散々仕込まれたこの身体は、多少の苦痛なら快感に感じてしまうのです。それどころか、ある程度激しくないと物足りないと感じてしまうこともあるぐらいでした。

「んっ、ちゅっ、ちゅっ」

 アキ先輩が乳首を優しく吸いながら舌で丁寧になぶってくれます。

「ほらほら、どうなのよ、変態マゾのユキ!」

 お姉さまが反対側の乳首をつねりあげ、引っ張り、指先で押しつぶします。

「やっ、いたっ、あん、きもちいいっ、もっと、やめてえ!」

片方の乳首からは、優しく舐められる甘い刺激が伝わります。反対の乳首からは、ちぎれそうな痛みが伝わります。おちんちんからは乱暴にしごかれる刺激が、お尻からは引き裂かれそうな痛みとぎっしり詰まった充満感が伝わります。

 お尻と、おちんちんと、両胸からの刺激に、もう何がなんだかわからなくなってきます。涙とよだれと、おちんちんからは先走りの液が際限なく垂れ流されています。ユキの身体はぐちゃぐちゃでした。

「いやあ、もう、だめえ、ユキ、もういっちゃうますうっ!」

「いいわよっ、ほら、いっちゃいなさい!」

 お姉さまがおちんちんをしごく手の動きをいっそう激しくします。

「ユキちゃん、ボクも、限界っ!」

「私も、もう、駄目っ!」

 アキ先輩とリカさんもせっぱ詰まった声をあげます。

「きてっ、ユキの中、ザーメンいっぱい頂戴!」

 そういった次の瞬間――ユキは限界に達しました。

 腰の奥で爆発が起きました。誘爆したように、アヌスがぎゅっと収縮します。おちんちんから精液が噴き出します。背骨を駆け上った熱が、頭の中で爆発します。両目の奥に星が飛びました。

 後ろにのけぞり、全身を痙攣させます。お尻の中に二人分の精液が注ぎ込まれるのを感じながら、ユキの意識はゆっくりフェイドアウトしていきました。

● ● ●

 気がつくと、ユキはベッドの上でお姉さまに抱かれていました。

「……お姉さま」

「……気がついた?」

「はい……」

 状況を認識すると、涙がじわりと滲んできます。

「なに泣いてるのよ? さっきのは冗談だっていったでしょ」

「ぐすっ、はい、でももし将来、お姉さまがユキのこと、ほんとうに飽きちゃったらって……」

「……あんたに飲ませてる薬とか、エステの料金とか、いろんな衣装の代金とか、誰が払ってると思ってるの」

「それは、お姉さまが……」

「いい? あんたにはお金かけてるんだからね。調教のための手間ひまや時間も換算したら、すごいコストがかかってるんだから」

「はい……」

「あんたはこの先ずっと、一生、死ぬまで私のオモチャよ。いくら金を積まれても手放しやしないわ。そのつもりでいなさい!」

 なぜか頬を赤く染めたお姉さまが、ユキから視線を外しながら言い放ちます。

「……はい!」

 ちょうどそのとき、寝室のドアを開けてアキ先輩が入ってきました。

「あ、目が覚めた? ……何の話をしてたんですか?」

「なんでもないわよ。風呂は空いたの?」

「はい。こっちの準備はボクとリカちゃんでやりますから、先輩はユキちゃんをお風呂に入れてあげてください」

「ん、オッケー。ユキ、風呂入るわよ。来なさい」

「あ、はい」

 お姉さまに続いてベッドを降りたとたん、腰が砕けて床にへたり込んでしまいました。

「あ、あれ」

「だ、大丈夫!?」

 アキ先輩が心配そうな声をあげます。

「どうしたのよ?」

「……腰が抜けてて、立てません……」

 ちょっと激しすぎたのでしょうか。下半身にまったく力が入りません。

「……しょうがないわね」

 そう言うと。お姉さまがユキのわきの下と両膝に腕を差し込みました。

「よい、せっと」

 さすがに軽々と、とは行かないものの、ユキの身体が持ち上げられます。

「お、おねえさま!!」

「アキ、ちょっとドア押さえてて」

「あ、はい」

 お姉さまはお姫様抱っこしたユキの身体を運んでバスルームに向かいます。リビングを通り抜けるとき、リカさんが目を丸くしてそれをみていました。

 脱衣所にはいると、床に下ろされます。お姉さまはユキの乱れきった服を手際よく脱がせて行きます。続いて自分も服を脱ぎ始めます。ユキは思わずその姿を注視してしまいました。二人とも全裸になると、もう一度お姫様抱っこです。バスルームに入ると、お姉さまはユキをバスマットの上にそっと降ろしてくれました。

「髪は大丈夫ね。身体を流すだけでいいかな」

 そう言うと、熱いシャワーをユキに肩口からかけてくれます。髪をあまり濡らさないように束ねながら、全身にシャワーをかけてくれます。

 お姉さまの手がユキの身体を流してくれる感触に、思わずうっとりしてしまいます。

「……ここも、きっちり洗わないとね」

 お姉さまの手がユキのおちんちんに伸びてきました。

「あっ、お姉さま、そこは自分でやります!」

「うるさい。あんたはじっとしてなさい」

「……はい」

 おちんちんに、熱いシャワーが浴びせかけられます。続いて、お姉さまの手が、ユキのおちんちんに……。

 ユキの目の前では、お姉さまのおっぱいがゆれています。慌てて目を閉じますが、既に脳裏に焼きついていました。

「……ユキ」

「……はい」

「この無節操なチンポを落ち着かせなさい」

「す、すみません!」

 とはいっても、ユキにもどうしようもありません。ユキのおちんちんは持ち主の困惑をよそに思い切り元気になっています。

「……もう一発、抜かなきゃだめそうね」

 お姉さまはこういうときとってもストレートな言い方をします。聞いているユキのほうが赤面してしまいました。

「四つんばいになって、お尻を上げなさい」

「……はい」

 言われたとおりに四つんばいになり、お尻を高く上げます。

「いくわよ」

 ずぶり。お姉さまの指が二本、アヌスに入ってきます。反対側の手が、おちんちんを握り締めます。

「くうんっ」

「可愛い声出すんじゃないわよ」

 お姉さまの両手が、ユキのアヌスとおちんちんを責め始めます。

 石鹸の泡と先走りの混合液がまとわりつき、おちんちんがぬちゃぬちゃといやらしい音を立てます。アキ先輩とリカさんの精液がたっぷり詰まったアヌスも、ぐちゃぐちゃといやらしい音を立てています。

「ザーメンまみれのケツマンコいじられてクリトリスをびんびんにするなんて、あんたってほんとに変態ね!」

 お姉さまがユキを罵ります。

「いやあ、お姉さまやめて、許してください!」

 あえてお姉さまに逆らうような言葉を口にします。こうすると、お姉さまはいっそう激しくユキを責めてくれるからです。

「うるさい。ほら、ちゃんと見なさい」

 言われたとおりに自分の股間を見ます。さかさまの視界の中で、おちんちんをしごく手が激しく動いているのが見えました。

 おちんちんとアヌスからの刺激。いやらしい音。ユキのおちんちんを責めるお姉さまの手の光景。これらの刺激に、ユキはあっという間に高ぶらされてしまいます。

「お姉さまあ、ユキもう出ちゃいます!」

「いいわよ。ほら、出しちゃいなさい!」

 どくん。今日三回目だというのに、すごい量の精液が出ました。最初の一撃はユキの顔まで到達し、ユキは自分の精液を顔に浴びてしまいました。

「……セルフ顔射とは、やるわね」

 お姉さまのあきれたような声が聞こえます。

「お姉さまの、手が、とっても、気持ち、良かった、からですよう」

「……いいからその顔洗って。クレンジングクリームはそっち、フェイシャルソープはそっちのボトルよ」

 言われたとおり、石鹸で顔を洗ってお化粧を落としました。もう一度シャワーで全身を流されます。

「さて、出るわよ」

 さすがにこのころになると足腰に力が戻っていました。自分で歩いてバスルームを出ます。

 着替えようとして、はたと気がつきました。

 さっきまで着ていた服はしわだらけになっているうえ、一部は精液まみれでとてもそのまま着るわけにいきません。だからといって、着替えなどは用意していませんでした。

「あー……」

 お姉さまもユキの困惑に気がついたようです。

「しょうがないわね。ちょっと待ってなさい」

 先にさっさと着替えていたお姉さまが、リビングのほうに出て行きます。お姉さまの服を貸していただけるのでしょうか? ちょっと期待してしまいます。

 ドア越しにお姉さまとアキ先輩、リカさんの声が聞こえてきますが、何を言っているのかまでは聞き取れません。しばらくすると、お姉さまが綺麗にラッピングされた有名衣料店の箱を持ってきます。

「最後にするつもりだったけど。あけてみなさい」

 言われるままに包装紙をはがします。中身は、黒基調で白いレースやフリル、飾りリボンがたっぷりついたワンピースタイプのドレスでした。

「それはアキとリカからよ。こっちは私から。あけてみて」

 もうひとつ、今度はランジェリーショップの箱が手渡されます。あけてみると、シルクのランジェリーセットでした。ショーツ、ブラ、スリップ、ガーターベルトとストッキングまでフルセットです。

「それに着替えて、化粧も直したらリビングに来なさい」

 お姉さまはそう言うと、ユキのハンドバッグを置いてさっさと出て行ってしまいました。

 ユキはハンドバッグからお化粧セットを取り出すと、急いでお化粧を直しました。薄めのナチュラルメイクなので、そちらはすぐに終わりました。

 次に着替えです。まずブラジャーを着けます。フロントホックタイプなので着けるのは簡単でした。カップが少しあまり気味です。セットに入っていたパッドを詰めてフィットさせました。

 次にガーターベルトをつけ、ストッキングに足を通します。軽く引っ張ってフィットさせてから、ガーターを止めます。こちらはぴったりでした。

 次にショーツをはきます。当たり前ですが、股間がちょっと苦しいです。はみ出したりしないように、おちんちんの位置をそっと整えます。

 最後にスリップを着て肩紐を整えます。これで下着はOKです。鏡で見てみると、なんだかやけに布面積が少ないのが気になります。おちんちんがはっきり見えてしまっているのがどうにも……。

 気を取り直してドレスを着ます。フロントボタンタイプのワンピースなので、一人で着るのも簡単です。ボタンを留め、襟元のリボンタイを留め、袖口のホックを留めればおしまいです。

 もう一度脱衣所の鏡でおかしいところが無いか確認して、リビングに向かいました。

● ● ●

 パン!

「お誕生日おめでとー!」

 パン!

「おめでとう、ユキちゃん」

 パンパンパン!

「おめでとう、ユキ」

 アキ先輩とリカさんがクラッカーで出迎えてくれます。お姉さまは片手に三つはさんでそれを全部いっぺんに鳴らしていました。

 リビングのテーブルの上にはローストチキンとサラダ、このシチューの香りはクラムチャウダーでしょうか。あとは五目御飯といくつかのサイドディッシュが並べられています。

 それから、白いクリームで飾られたバースデイケーキ。並んだ蝋燭にはまだ火はつけられていません。

「あ、そのドレスどう? ボクとリカちゃんで選んだんだけど、気にいってくれたかな?」

「ユキちゃんならそういうのが似合うと思うんだけど、どうかしら?」

「まったくあんたたちは少女趣味なんだから。少しは私みたいに大人っぽいセンスで選びなさいよ」

「えー、ユカ先輩のは大人っぽいって言うより……ねえリカちゃん」

「そうねえ、ちょっとあれよねえ」

「あんたたち、言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ」

 三人のやり取りを聞いていると、ユキの胸の中に熱いものがこみ上げてきました。

「……あれ、ユキちゃん?」

 ユキのほっぺたを涙が一粒流れます。

「……やっぱり、さっきの怒った?」

「あっ、違うんです、ユキ、うれしくって……」

 アキ先輩が誤解しそうなのを、慌てて訂正します。

「そっか。ユキちゃんは泣き虫さんだね」

 アキ先輩がユキの頭をなでてくれました。

「まったくあんたはすぐ泣くんだから」

 お姉さまも同じようにユキの頭を撫でてくれます。

「さあさあ、パーティーを始めましょう」

 リカさんの声に、ユキたちはテーブルにつきました。アキ先輩がケーキの蝋燭に火をともします。

 三人の歌う「ハッピーバースデイ」に合わせて、ユキは蝋燭を吹き消しました。

―了―

*** Tea time ***

(・ω・ ) クッキー オイシイネ
  「いやー、それにしてもプレゼント服にしてよかったね(モグモグ)」

川・ヮ・ノ ユキチャン オカシヅクリ ジョウズネ
  「危うくユキちゃんが下着姿でパーティーやる羽目になるところだったわ(モグモグ)」

川 ̄へ ̄) ワタシヨリ ウマイッテ ドウイウコトヨ
  「……チッ(バリボリ、ズズー)」

(^▽^;) コノクッキーハ ジシンサク デスヨ
  「お姉さま……」

*** Next morning ***

(・▽・ ) ビックリ シマシタヨ
  「昨日のは、誰が言い出したんですか?」

( ・ω・) ゴメンネ
  「ユカ先輩が、普通のサプライズパーティーじゃつまらないからもうひとつ驚かそうって」

川・ヮ・ノ ゴメンナサイネ
  「ちょっとやりすぎたわね」

川 ̄ー ̄) フッフッフー
  「ユキはマゾなんだからあのぐらいで丁度いいのよ。気持ちよかったでしょ?>ユキ」

(//▽//) ポッ
  「……エエ、マァ、ソノ」

川;・ヮ・ノ (;・ω・) エエエー!?
  「「ユ、ユキちゃん!?」」