『アールヴヘイム』、それは知る者ぞ知る倒錯の楽園である。
入会費10万円、年会費20万円。
深夜の都心を見下ろす地上30階のステージ。
社会的な勝者のみが立ち入れる至高のショーパブに、
今日も一人の“少女”が舞い降りた。
「新人の明菜です、どうぞよろしくお願いします」
落ち着いたハスキーボイスがフロアに響く。
観客は感嘆を示した。
涼しい目元、品のいい唇、大いにくびれた腰つき。
引き締まった太腿は健全な色気を醸しだす。
一体誰が信じるだろう。
美しい栗色の巻毛とTシャツの膨らみを有するその少女が、
ハーフパンツの下には逞しい男の象徴を潜ませているなど。
目覚めたのはいつだったか。
男ながらに着替えを盗撮され、唖然とした時?
女日照りの級友に頼まれフェラチオをして回った時?
あるいは付き合っていた娘が、「自分より可愛い」からと去った時?
明菜には、愛嬌で男を惑わす絶対の自信があった。
だがその自信はここに来て揺らいだ。
「皆様ご機嫌よう、真優にございます。
本日は新人のお披露目を存分にお愉しみ下さい」
鈴を揺らすような声に、ふと場の視線が移る。
明菜は横目で後ろを見やった。
腰までの艶やかな黒髪、優雅な着物、心地よい香。
切り身を思わせる桜色の唇。
はじめて目にすれば、誰もが律動で胸を焼かれる。
それは明菜とて例外ではなかった。
彼女も純粋な女ではない。
この真優こそ、アールヴヘイムを取り仕切る女帝であった。
ここでは娘の纏う雰囲気に合わせ、それぞれに役付けがあるらしい。
例えば今の真優であれば、時代がかった婀娜な女房。
他にも年端もいかぬ少女やハイソックスの女子高生など、
様々な「女」が集められていた。
高級店だけあってそれらに不自然さはなく、あらゆるタイプに目覚めうる魅力がある。
そしてさしずめ今日の明菜は、「都会の洗礼を受ける村一番の美少女」。
そんなところだろう。
明菜はかつてニューハーフ専門店で圧倒的な人気を誇っていた。
黙っていても男が群がる彼女は奉仕をしない。
アナルを「弄らせてやる」、ペニスを「舐めさせてやる」。
AFには法外な料金を強いる。
それでも客足は途絶えず、むしろ月ごとに増えていった。
そうして自信をつけた彼女は、栄誉を求めてアールヴヘイムに移籍したのだ。
そこに体育会系の部に近い力関係があるとも知らず。
「さぁ、おまえのカラダを見せておやり」
真優に促され、明菜は黙ってシャツをたくし上げた。
ここでの初披露が店で働く条件である以上、抗うすべはない。
すべて脱ぎ去ると歓声が上がった。
女性誌の読者モデル並の身体に、薄茶色い男根がぶら下がっている。
作り物などではなく半勃ちのまま。
「くっ……」
明菜は俯いた。その顔は耳まで赤くなっている。
真優は愉快そうに笑って逸物をつまんだ。
「おや、皮かむりだねぇ。可愛らしいことだ」
くいと皮を剥かれ、少女の体が強張る。
さらに真優の別の手は、明菜の豊かな尻肉を割った。
「あっ」
明菜は声を上げた。これまで幾度も触られ、舐められたが、
この人数の前では感覚が違う。
真優の指にはひやりとした液体が塗られており、
それが侵入を容易く許してしまった。
細長い指がぐいぐいと腸の奥へ潜り込んでくる。
「この穴は綺麗にしてきたんだろうね?」
指を蠢かしながら真優が囁く。
どこかにマイクが仕掛けてあるのか、声はフロア中に響いた。
「え、ええ、それは……勿論よ」
明菜は答えながら、腸内の異質感に眉をひそめる。
悔しいほど手慣れていた。
くいくいと指を曲げ、痛いぐらい腸側から臍の下を押し上げる。
そこが前立腺だと身を以って理解させられた。
尿道に湯を流したような熱さが染み、逸物がむくむくと起き上がる。
陰茎内へじかに指を挿されたように勝手に堅さを増していく。
衆人環視の中、自分だけが全裸で立ちながら。
「う、んんんっ」
明菜はうめいた。
「そそる声で鳴くじゃないか。こっちもいやらしいね」
真優はそそり立った明菜の物を数回しごき上げる。
観客のざわめきが聞こえてくる。
その中には明菜の常連客もいた。
ふんぞり返って奉仕を見下ろしていた明菜が、惨めな怒張を晒している。
顔を悔しそうに赤らめて。
「もうこんなにするなんて、これは仕置きが必要だねぇ」
真優はずるりと明菜の後孔から指を引き抜いた。
その時にも「うっ」と呻きが上がった事から、気高い明菜が
真優の指戯だけで達しかけていたことが窺える。
少女の怒張は半分ほど亀頭を覗かせ、先端に雫を滲ませていた。
それを股に挟んだまま、彼女の手首は後ろで縛られ、足首は胡坐縛りに固定された。
「さぁてさて、良い格好だ。今度はあたしにも享楽をおくれよ」
真優は高らかに笑いながら着物の裾をはだけた。
明菜の目が見開かれる。
太さにして4センチ超、長さにして30センチ余り。
コーラのボトルのような稀に見る巨根であった。
真優は瓶を手にし、それにたっぷりの香油を垂らす。
「ちょ、ちょっと待って、やめ、や、無理っ・・・」
真優は明菜の抵抗などものともせず抱え上げ、腰の上に据えた。
「あたしは今までに何人もお披露目させて来てるんだよ。
裂けるかどうかは括約筋の伸びで解るさ」
真優はゆったりと諭しながら、それに反して強引に明菜の腰を沈める。
見た目は優雅な大和撫子だが、その力は紛れもなく男のものだ。
明菜の可憐な蕾を肉塊が押しひろげてゆく。
「………っあ、あっああ!」
背を仰け反らせて耐える明菜は、怒張が半分ほど入ったとき不意に短く叫んだ。
胡坐をかいた脚ががくがくと震えはじめる。
「だめ、だめっ!何これ、抜いてぇっ!!」
唐突に狼狽しはじめる少女に場は騒然となる。
そのとき、2人を見守る娘が口を開いた。
「皆さん、ご心配なく。すでにご存知の方もおられるでしょうが、
真優の持ち物はその大きさといい反り具合といい、実に男泣かせでございます。
前立腺と直腸奥のすぼまりを同時にしごかれる感触は尋常ではありません。
どれほどなのかは、明菜の様子をよくご覧になってご想像下さい」
その言葉で、観衆は明菜を凝視しはじめた。
真優はそれに応えるかのように腰を突き出し、緩急をつけて動かしはじめる。
「ああっ、もうっやあ、あああっうう!」
少女は首を左に傾け、首筋に筋が立つほど歯を喰いしばっていた。
その表情は苦悶とも恍惚とも取れるものだ。
胡坐縛りをされた脚は限界まで力が込められていた。
大臀部の盛り上がりはやはりただの少女とは違う。
一同が求めるのは、そうした少女的な美の中にある力強さだ。
明菜の身体は女と変わらず、いやむしろそれよりも柔らかく見えるのに、
苦痛に身悶える瞬間には内に秘めた筋肉が躍動する。
それは何ともいえず肉感的・煽情的で、瑞々しい官能に満ちていた。
誰もが瞬きも忘れて見入った。
明菜の美肌に浮く珠の汗を。
破産してでも通いつめた妖艶な美少女を。
縛られて為すすべもなく、菊のような後孔を穿たれ続ける明菜。
その潤んだ瞳は明らかに、真優の巧みな腰使いに呑まれつつあった。
「お、おっ……く、あああぁおおおおお゛っ!!!」
「おや、どうしたんだい。そんなに男みたいな声を出して。
皆におかしな目で見られちまうよ」
とうとう地声で叫びだす明菜に、真優はいよいよ愉しげな顔で腰を突き上げた。
パフォーマンスとはいえ残酷なほど大振りな抽迭。
じゅっぱんじゅっぱんという腸液の攪拌音が聞こえてくる。
聞いたことも無い叫びとその生々しい音は、明菜の状態をしるに十分であった。
「あっ、あっあっあっあっああっああっ」
喘ぎと水音は刻一刻と速さを増してゆく。
女帝が喰らいついた獲物の血潮を啜りにかかったのである。
「ううっ!」
幾度もの自制のすえ、ついに明菜は小さく呻いて天を仰いだ。
視線が一斉にそそり立つ陰茎へと注がれる。
それは嗚咽するように二度三度とわななき、透明な一滴を伝わせた。
続けてとろっと斑らな濃さの白濁があふれ出る。
「おぉっ、トコロテンだ!」
誰かが興奮気味に叫んだ。
誇り高い“美少女”はついに直接性器に触れられる事なく、
脚を大きく広げたまま尻を犯されて精を吐いたのである。
それも大衆の前で。
自信に溢れていた明菜は、今俯いて鼻を啜っていた。
「濃いのが出たじゃないか。溜まってたのかい」
真優は汗みずくの少女の身体を抱き、さらに腰をゆらして追い詰める。
アールヴヘイムの歓迎会はまだ終わってはいない。
むしろ、ここからが地獄である。
「ほんと、元気良さそうねぇ。どれだけイけるかな?」
キャンパス系の娘が目の前に立った時、明菜は反射的に身を竦めた。
それは正解だったろう。
娘は少量のローションを手につけ、射精を終えたばかりの亀頭に塗り始めた。
白濁ととろみが混ざり合って泡を作る。
「や、やめて、まだ逝ったばっかでしょ!!」
びくっと身体を震わせる明菜に、娘は悪魔のように微笑んだ。
「それがどうしたの?時間を買ってるお客様にとっては、そんな事関係ないわ」
言いながら陰茎の皮を完全に剥き、テープを幾重にも巻きつけて縛める。
これにより亀頭は常に剥きだしの状態となる。
明菜はまるで心臓を晒されたような心細さを覚えた。
「何する気…?」
娘は目を細め、五本の指で明菜の亀頭を掴んだ。
「多分、あんたが今一番恐れてることよ」
鈍痛が走る。娘が亀頭をじかに撫で上げたのである。
「ひぁっ!や、直接はやめて、おかしくなっちゃう!!」
「そんなこと言って、本当におかしくなった子はいないのよ」
指は今度は呑みこむ様に亀頭を包み、カリ部分に歯を立てた。
擦り上げ、撫で下ろし、蠢かす。
「ちょっと待って、や、や!あ、いぁあああーーーっ!!」
とても耐えられそうに無い快感だった。
足首から昇ってくる腰が砕けるような感覚に思わず腰を引くと、
腸の奥を強烈な圧迫感が突き上げた。
「くぁうっ!!」
後ろも貫かれている事を思い出し、明菜は泣きだしそうな表情になった。
逃げ場が無い。
「ふふん。浅ましい催促もされた事だし、こっちも可愛がろうかね」
真優は待っていたかのように明菜の脚を抱え、粘液にまみれた剛直を引きずり出す。
前の娘は親指の爪で尿道をくじりながら、亀頭の弱い粘膜だけをしごき始めた。
「助けて、助けてえーーーっ!誰か、やめさせて下さいっ!お願いします!!」
観客に向けて涙ながらに懇願する明菜は、未だ前後から容赦ない責めを受けていた。
前では十数人の嬢に代わる代わる亀頭をしごかれ、射精を強いられる。
とめどなく溢れ出すカウパーと精液を絡め、延々と捏ね回す。
赤くなった怒張は手の中でびくんびくんと痙攣していた。
「ああああぁもう、出るっ、出るうううぅっ!!」
普段の自慰よりも遥かに早くしごかれ続け、明菜は白い喉を晒す。
亀頭にある小さな割れ目がひくつき、壊れた蛇口のように白濁を飛沫かせた。
続けて、それを押し出すように大量の尿があふれ出す。
「もう明菜ちゃん、またお漏らし?三度目だよ」
どう見ても小学生のような少女が、そう茶化しながら裏筋を弾いた。
明菜は限界に次ぐ限界で目を泳がせながら呻く。
「まったく緩い娘だ。まだまだ躾けが必要らしいね」
真優はなおも笑いながら、失禁したばかりの明菜の腸を埋め尽くした。
彼女の絶倫振りは明菜にとって最悪の絶望だった。
すでに五度ばかり明菜の腸内に漲りをぶちまけておきながら、
大きさも腰使いも全く衰える気配がない。
前立腺には鈍い痛みすら感じるというのに、やはり擦られると
陰茎は立ち上がり精液が滲み出た。そして代わりに痛みが溜まる。
腰を引いても突き出しても極感に襲われる状況はたまらない。
フローリングの床には明菜の汗や精液、失禁が水溜りを作っていた。
彼女が愉悦を迎えるたび、後孔から真優に注がれた白濁が滴りおちる。
剛直という栓をこえて腸液が噴き出すたび、明菜はもう戻れない身体に
なりつつあることを実感した。
「真優さん、もう許してください。もう私が私で無くなりそうなんです…!」
明菜の声はすでに普通ではなかった。
男とも女ともつかない、何ともいえず嗜虐心を煽る声色。
「そうかい、是非ともなっちまいなよ。それまでは終わらないんだからさ」
真優は明菜の胸をまさぐりながら囁く。
排泄孔を骨盤の砕けそうなほど突き上げられ、亀頭を容赦なく扱かれ、
明菜はまた声にならない叫びを発して身震いする。
「あたしだって、最初はおまえにそっくりだったよ。
皆こうやって頭真っ白にされて、一から登って来るのさ」
『アールヴヘイム』、それは知る者ぞ知る倒錯の楽園である。
社会的な勝者のみが立ち入れる至高のショーパブに、
今日も一人の“少女”が舞い降りた。
―FIN―