「ん…俺は一体…ここ…は?」 「マスター!!マスター!!!やっと目覚めてくれた…うっ…ぐすっ…うわぁあああんん!!」 「うぉっ!!いきなり抱きつくな!!」 「だって…だってマスターは…ぐす」 ベッドに寝ころんでいるらしい俺の体に、結構でかい胸を押し付けてくる相方を優しく抱いてやる。 俺の乳房が相方の胸と干渉し、つきたての餅のように形が歪んで…歪んで? 俺の乳房?? 「…ちょっと待て…なんで俺の胸にこんなものがついてるんだ…?」 「うぅ…マスター、覚えてないんですか?」 自分の掌を改めて見てみる…指が細い。試しに手をゆっくりと握ってみたが、濃い体毛と節くれ 立った関節をもった拳はどこにもない。手を再び開き、そのまま頭を触れてみる。 「髪の毛、さらさらになってる…」 「なんだか羨しいです」 「羨しい…じゃねぇっ!! 俺の身体…どうなってんだこれ!?」 「股下がスースーして気持ち悪いな…」 「マスターのヒップが大き過ぎて、私の手持ちのスラックスだと入らないんですよね…」 「そのせいで、スカートがパッツンパッツンなのか」 「仕方ないですよぅ…マスターの本当の身体が再生するまでは我慢しないと…」 そう、俺は数カ月前に巻き込まれた交通事故のせいで、生身の身体を一時的に失ってしまったのだ。もっとも、事故った相手の 会社がサイバーなんちゃらとかいう最新技術を商売にしてるところで、俺の体は今そこの研究所で再生術を受けている真っ最中だ。 「だからといって、何もロボ娘の身体に俺を入れるこたぁねえだろ!?」 男性型アンドロイドの素体に関しては、人間の意識をそのまま移せる程研究が進んでいないらしい。特に下半身の感覚が再現 しきれていないため、下手に移植すると精神が崩壊することがあるんだそうだ。事故で全身の7割が失われてしまった俺の身体は、 一時的に体温を低くして仮死状態にした上で特殊処理が施され、研究所の再生カプセルの中でゆっくりと治療中との事。その間、 奇跡的に無事だった脳から俺の”自我”をダウンロードし、この女性型素体に移植したという話しなのだが…。 「私達のような女性型なら、感覚機能が随分人間に近づいてるから問題ないってことでしたよね」 「例えそうだとしても、あんなところやこんなところに関しては…男性と女性の差は天と地程離れてるぞ」 「あ、そうだ…それで思いだしました」 「なんだよ」 「実は研究所の所長…マスターのお母様のご命令なんですけど」 そう言うなり、相方がいきなり俺に身体を寄せてきた。ベッドに座り込んでいた俺の顔に、相方の顔が急接近。 「どうしたんだよ、いきなり」 「ふふ…マスター、こうやって見ると…すごく可愛い」 相方の顔が上気している。艶めかしいといえば聞こえはいいが、紅潮した頬に潤んだ瞳…やばい、このモードは… 「ちょ、おまっ…んん〜〜〜っ!!」 文句を言おうとした俺の唇が、生暖くて柔らかいもので強引に塞がれた。口唇を割り、更に熱い芯が俺の口内を弄り始める。 「んっ…むぅ〜…ふ…」 やばい。歯茎をぬるぬるとやられてる内に身体の力が抜けてきた。閉じる事が出来なくなた歯の隙間を縫い、相方の舌先が素早く 俺の舌をからめとる。舌同士が触れ合った瞬間、俺の頭に聞き慣れない合成音声が響いてきた。 【素体メンテナンスモード認証…認証完了。素体の腰部及び臀部を除き、全アクチュエータ電源カット】 ちょっと待て! 電源カットってお前…と考える間も無く、俺の両手から一切の感覚が失せた。 【電源カット確認。両肩接合部、オープン…ジョイント部、ロック解除】 手慣れた手つきで相方が俺の肩を捻り、無機質な音と共に両腕を外してしまった。 「な、なんで腕まで外すんだよ!?っていうか、服を脱がすなコラ!!!」 俺の服を脱がし、更に自分の服も素早く脱ぐ相方。見慣れている筈の小柄なボディラインが、今日に限っては小悪魔のように見え るのは気のせいだろうか。 「ごめんなさい、マスター…これもお母様からの命令なのです」 相方が俺の両腕をベッドの脇へ丁寧に置いた。俺の肩は機械パーツが剥きだしの状態な上に、力が入るのは腰と下腹部だけだ。 「何を…する…つもりだ」 「人工とはいえ、元々男性の身体にはない感覚に慣れる必要があるからって…抵抗できないよう、メンテナンスモードにしてからでも いいからと、お母様から素体のメンテナンス認証コードもいただいたんです」 そう言いながら相方は俺の両足をゆっくりと開かせていく。全く力の入らない下半身だが、しっかりと感覚は残っている。 「ま、まさか」 「マスターのおまんこ…すごく奇麗です」 止める間も無く、相方が俺の股間に顔をうずめた。ちゅくっと淫らな音が聞こえた瞬間、俺の下腹部が未体験の感覚を伝えてきた。 「うあっ…? ああっ…? やめ…あんっ」 相方の説明通り、本来の身体なら感じる事がない感覚に違和感を覚える。しかし同時に、俺の中の何かがその感覚に打ち震え… 自分のものとは思えないような喘ぎ声を紡ぎ出し始めた。 「マスター…可愛い…初めてのはずなのに、もうこんなに濡れて」 相方が顔を上げた。相方の舌が、俺の股間から糸を引いている。 「実はお母様から、こんなものも預かってるんですよぉ…」 上気しきった顔で、ベッドの傍らにあるバッグから何かを取りだした。 「おい、その形…やめろぉ…やめてぇ…あっ…んんんぅ!!」 「ふふふ、お母様特性のバイブレーター…これで人工女性器の慣らし運転ももばっちりですよう」 そう言いながら相方が俺に”おとなのおもちゃ”を突っ込んだ瞬間…俺の理性は遙か彼方へ霧散した。