ラボから戻ってきた彼女には新しい充電システムのテストにつきあわされている。 彼女から手渡されたものはピンク色の樹脂で作られた短い棒だった。 すりこぎや警棒の類にしては短くて細いそれは中に何が詰まっているのかずしりと重い。 それをしっかりと握ってみると何故か手に馴染む。これが充電にどう結びつくのか分からない。 「永久磁石です。磁力は強いので強磁性体を近づけないでください」 首を傾げる俺に彼女はそう告げる。試しにカッターナイフを近づけると奪われるように棒に貼りついた。 「言ってるそばから何やってるんですか」 無表情ながら声色からはあきれ返っているように聞える。 「試したくなるだろうが……で、これと充電とどう関わるんだ?」 力をこめてカッターを放しながら尋ねる。 「電磁誘導です」 「電磁誘導?確かコイルの中で磁石動かすと電気が流れる、てあれか」 確かコイルの中で磁石を動かしたら電気が発生する、と物理の授業で聞いた気がする。 となると、この磁石をどこかに入れて起きた電気を蓄えるのだろうか。 なるほど、燃料を使わないから確かにエコロジカルだ。 「少々お待ちください。準備しますので」 彼女はそう言ってスカートの中に手を入れてショーツを片足だけ脱いでその場に座り込んだ。 「おい」 「社会一般では下着を着用するのは当たり前の事ですが」 「そこに突っ込んでるんじゃない。充電とパンツ脱ぐのとどう関係があるんだ?」 一瞬彼女のそこにこの磁石を突っ込むのかと思ったが、彼女の股間には何もなかったはずだ。 「いえ、ここに突っ込むんです」 彼女はスカートの裾をたくし上げて足を開くと、そこには彼女の体には見覚えのない筋目があった。 「この中にコイルがありますので、ここに磁石を入れてください。潤滑液が分泌されてますので……。お願いします」 彼女が指で拡げると、人間が所有するそれと変わりのない色合いの粘膜が口を開けている。 彼女は指を浅く進入させて、抜いた指をこちらに見せた。確かに濡れて光っている。 とりあえず彼女に言われるがまま、若干の摩擦を覚えながら捻じ込んでいく。 「んっ……マスター、もっと奥まで……」 僅かな電圧を感じてか、彼女の声色が変わる。 金属的なものではなく、肉に棒を突き刺しているような手応えを感じながら、指でつかめるギリギリまで刺し込む。 「マスター、動かしていただかないと電位差が発生しませんので」 磁石を刺したままでいると、再び表情のない顔で彼女は言う。 電気が発生しないと何ともないのだろうか、物理の授業を思い出しながらゆっくりと抽送を繰り返す。 「あくっ……マスター、き、来てますっ、もっと早く」 無表情なはずの彼女の顔が弛緩しているように見える。その事に内心驚きながらも手は彼女の請うままに抽送を早める。 「マスターッ!もっとぉ……もっと激しくぅ!」 頬を赤く染めて彼女は懇願する。 それに応えようにも指だけでは動かしづらいので磁石を一度引き抜いた。 「マスター、まだ……充電が」 彼女は未練がましい視線を向けたが、それに構わず手でしっかりと握る。 手で握っている分、深く入れることは出来ないがしっかりと持てるおかげか、速く磁石動かすことが出来た。 「ああっ!早い!バッテリーッ一杯にッ一杯にぃッ」 いつの間にか俺の肩にまわされた彼女の手に力がこもる。手がぶつかる度ぬちゃりと潤滑液が纏わりつく。 「んあっ……マスターッ!もう少しで……じゅ……充電終わりますっですから……最後は……奥までっ!」 彼女自身、飲み込もうと腰を前に押し出し、肩にまわした手に力がこもる。 抜けなくなるのでは、と心配するのを忘れて掌で底を押し込む。 「んっ、あっ……あぁぁッ!」 彼女は指を肩に食い込ませて、痙攣しているかのように体を震わせた。 「充電……完了しました……はぁ……」 彼女はそれだけ言い終えると、体を弛緩させて俺にもたれかかった。