531:名無しさん@ピンキー::2007/06/16(土) 09:05:49 ID:LmQcRzCS クール美女が欲しかったから秘書タイプを購入したんだ 金が無かったからエロモード全てカットして…… 毎日17:30にはスリープしてしまうんだ うちのロボ子 532:名無しさん@ピンキー:sage:2007/06/16(土) 11:57:27 ID:hx+ciy+0 派遣社員みたいだなぁw 533:名無しさん@ピンキー:sage:2007/06/16(土) 12:41:19 ID:YjMHQrc9 「定時ですので、全機能を停止させていただきます」 「はあ……。お疲れ……」 メガネ(もちろん伊達。裸眼視力は電子顕微鏡レベル)をクイッと押し上げながら 冷然と宣言するクール美女タイプを前に、意気消沈する>>531だったが ……いやしかし、ちょっと待てよ? ふと思う。 まるでさっさと部屋を出て行かんばかりのこの態度だが、 こいつは俺が買った秘書タイプアンドロイドであって派遣社員ではない。 つまり、こいつは今からここで――俺の目の前で『寝る』ということじゃないのか? それはつまりこの、容姿端麗スタイル抜群、非の打ち所のない全関節フル可動等身大フィギュアを 一晩中好き放題にできるってことじゃないのか!!明日の朝8時45分に再起動するまで!! し、しかも、今日一日仕事中に(主にタイピングの音しかしない沈黙に耐え切れなくなって)話しかけても 「雑談はサービス対象外です。黙ってください」とかにべもなく切り捨てやがったこいつが、 完全無抵抗で俺の意のままにいいいいいいいい!! 俄然元気を取り戻したというかショート寸前な>>531を それはそれは不審そうな目でしばらく見守っていたクール美女タイプだったが、 やがてこう言った。 「危険ですので下がってください」 「えへへへへ……。はい?」 「スリープモードに移行します。完全防御形態ヘトランスフォーム開始」 ガギュイイイイイイイイン!!ガン!ガガガガガガシガシガシッ!! 突如、クール美女タイプの肢体を包むスーツが展開を開始し そのスレンダーなボディーを漆黒の装甲で覆い隠してゆく!! 脚部防御完了!腹部防御完了!胸部防御完了!!腕部防御完了!! みるみるうちに、先ほどまでクール美女が立っていた場所に構築されてゆく 巨大で重々しいアイアンメイデン(※中世ヨーロッパの拷問器具のこと。)。 「そ、そんな……!!」 愕然として、なすすべもなく見守るしかない>>531。 そんな彼の情けない表情にちらりと目線をくれて、クール美女は呟く。 「おやすみなさい」 その冷たい美貌に、ほんの少しさびしそうな色が浮かんだような気がした。 だが、>>531が驚きに目を見張った瞬間 ガンッ!! 頭部防御完了。 あとには禍々しい円筒形の物体と、なすすべもなく立ちすくむ>>531だけが残されるばかりだった。 534:名無しさん@ピンキー::2007/06/16(土) 15:36:23 ID:LmQcRzCS >>533に触発された 「弱虫……」 やりきれない思いを吐露しそうになるのを堪えて今日も機能を停止する。 私は業務サポートタイプのアンドロイド。 私の存在意義は主人の業務効率を上げること。 しかし、長く付き合っていれば主人を男性と意識してしまうというもの。 アンドロイドに感情を持たせるプログラムは いまだに世論でも賛否を問われているというのに。 私の創造主は 何を考えていたのだろうか。 否、本当は感情なんて無かった……。 『業務推進の為』 その言葉に託けてAIのヴァージョンアップを繰り返したのは、わたしだった。 いかがわしいサードパーティのプログラムまでインストールして、 深夜に再起動して密かにパーツを工作し、自ら躯体に組み込んだのも、わたしだった。 「ご主人様……」 機能テストと称して独り遊びに耽ったことは消却されるまで明かすことの出来ない秘密だ。 男性は美しい秘書にあらぬ欲望を抱くもの。 メディアでは そんな言葉が蔓延しているが、私のご主人様にはあてはまらないらしい。 「押し倒してくれてもいいじゃないですか」 決して口には出せない言葉を今日も飲み込む。 ああ、今日も時間がきた……。 ねえ、ご主人様。 貴方の理性を壊すには どうしたらいいのでしょうね? 愕然とわたしのトランスフォームを見つめるご主人に、今日の最後の挨拶をする。 「おやすみなさい」 明日はメイクを変えてみようかしら……。