時計を見ると19時を廻っていた。
部屋着に着替えて、自室のベッドにひっくり返る。
…おれの家は借家だが、大家さんがとても良い人で、家賃もかなり安く、部屋数も多い。
しかも、巴に一部屋与えようかと思っていたら、充電ベッドを隣の書斎に持ち込んでしまい、
すぐ隣で待機すると言い張るものだから、寝室がひとつで足りてしまっているのだ。
そこで、リピングとキッチン以外は、両親や友人などが泊まれるように整えなおし、しかも
こまめに巴が手入れしてくれるので、いつでも、誰が不意にやってきても使えるのである。

…余談だが…巴が来て暫くして、天井と出入口の上部を頭突き(笑)して破壊する事故が
三回ほどあったが、いずれも大家さんは修理代を払うだけで笑って許してくれた。
かなり壊れたのだが「故意にではないから」と、本当に原価分しか受け取らなかった。
後で聞いたら、それは、巴が、常にこの家を内外共に綺麗に維持して、寝室などホテルなみに
整えてある事を、たまたま様子を見に来た大家さんが知り、巴を気に入ってくれたらしい。
ちょっとドジな所もあるけれど…巴を選んでくれた両親に、改めて感謝しなくてはな…。

さて、奥の、ダブルベッドのある部屋をバンたちに提示したところ、一瞬、複雑な表情をされたが、
ネットの端末が二台あるので、二人で同時に調べ物が出来るメリットがある…と説明した所、
即座に納得し、夕食までの間、二人はそこで休むことになった。
…ちなみに、その部屋を真っ先に案内したのは巴なのだが…。
どうも、いつもより、妙に気が廻るような気がしてならない。
一見、いつもの、ぽやぽやまったりした巴に変わりはないのだが…。
なんだか二人を色々と気遣っているような…そんな気がしていた。
まあ、おれ自身、二人が単なるマスターとそれに仕えるドロイドの娘…という感じに見えないで
いたのも事実なのだが。
それに、ジェーンは最初の頃は、おれたちがバンに敵対する者か、あるいは何らかの悪い意味で
影響を及ぼす者という感じで、ツンとした接し方をしていたのだが、ワゴンに乗り込む時の
おれたちを見ていた辺りから、次第にあたりが柔らかくなってきているようだ。

「あれが…ツンデレっていうのかね」
ふと口に出して言うと、書斎から巴がぬっと姿を現した。
「あ、ジェーンのことですか〜?」
メイド服を脱ぎ、白のブラとシンプルパンツ一枚だけの、なかなか刺激的な姿である。
温かな、まるで血の通っていそうな…やはり、作り物と思えない白く柔らかな肌。
やや童顔なこともあって、大柄な割にあどけない印象にも見えるが、その整った体躯は美しく…
その上、大きくて、弾力のありそうなふたつの胸の膨らみが…これまた良い形で…。
しかも乳首がブラ越しにうっすらと透けて、そのうえぷっと布地を押し上げているのだから堪らない。
…でかいけど…何かで見た、美しい聖母像か女神像の様でもあり…
思わず…ちょっと…勃起してしまう。
あ…い、いかん
…やべ…(汗汗)
「あ、ああ…そうだが」
ちょっとしどろもどろになりながら、壁の方を向く。
朝の気恥ずかしさが蘇ると共に、巴の、先刻の凛とした姿や、いつもの笑顔が脳裏に浮かんでしまい、
なかなかセガレ(爆)がおさまらない。
いや、おさまるどころか…逆にもう自分でも情けないくらい、腫れ上がって(苦笑)いる。
「…あ……あの…」
そんなおれに気付いたのか、巴が口元に指をあて、もじもじしながら、恐る恐る声を掛ける。
「やっぱり…その…ぼっちゃま…?」
「あ〜…いや、だから、気にしないでいいってば」
「…でも………もしかして…あの…」
わ〜!ベッドの上で『の』の字を書くなぁ。
がばっと跳ね起き、慌てて立ち上がったおれは、カーペットの床にひざまずいた巴の顔を見下ろした。
「……よろしかったら……あの……今、ここで…させて頂きますが」
「いやだっておまえその…」
あ〜!!!
1年前まで、硬派だと公言していたおれが…もうすっかり骨抜きだ。
…それも、巴が迫ってくる…というより、おれの欲求を察知して、控えめにお伺いを立ててくれるのだ。
「そうですね…もうちょっとでご飯も炊けますし…」
何か違う〜!
思わず苦笑した途端、巴は恐る恐るおれの股間に手を伸ばした…って、まさか!?
「そ…それでは…あの…お、お嫌でなければ…」
「…く、口…?」
その言葉を口にした途端、おれのモノがピクンと勢い良く跳ね上がってしまった…。
だ、駄目だぁ…。

部屋着はトランクスの延長みたいなものなので、いともあっさりと下ろされてしまった。
…改めて巴の顔を見下ろす。
ひざまずいていても、かなりでかいが、こうして見つめると…むらむらと支配欲が湧いてくる。
あ〜…畜生…!おれは畜生だ…けだものだよ…。
こうして、巴を屈服させて支配する事に、興奮し、欲情しているんだから。
そうだ…おれは、おれは巴が欲しいんだ!その総てをさ!! 
半ばヤケになってパンツからイチモツを取り出し、巴に差し出す。
…巴はと言うと、少し身を屈め、幾分上目づかいになりながら、おれの顔を見つめ、頬を
赤らめながら、両手で挟むようにおれのモノを包み込んだ。
「ぼっちゃま……とても…とても…熱いです…」
巴がそっと囁く。
「…わたしで…こんなに…こんなに…感じて下さっているのですね…」
ああ…この、せつなそうな…おれを見上げる恍惚とした表情にはかなわない。
「うれしいです…」
おれは…巴の頭を両手でそっと押さえた。
…くそ…滅茶苦茶にしてやりたくなるじゃないか。
だが、それと同時に…巴が愛しくて、可愛くて、たまらない気持ちもこみ上がってくる。
柔らかな黒髪…両手を下ろし、頬に触れると、張りのある温かな質感の肌。
「巴…」
「ぼっちゃま…」
巴は囁くようにおれの名を呼び、それから左手ですっとブラのフロントホックを外した。
途端に、こぼれるようにたゆんと、大きな双球が露わになり、おれは息を飲んだ。

いつ見ても…綺麗な形の胸…しかも乳輪の大きさも程よく、綺麗な桜色をしている。
あのさくらんぼを小さくしたような乳首をつまんだら…どんな反応をするだろう。
そう思うと、おれのモノはさらに怒張し、先端から更にてらてらとした物が出始めていた。
やがて巴は、右手で、その、とてつもなく大きな胸の膨らみの谷間におれのモノを導くと、
それから左手で、胸を押し潰すようにしておれのモノを挟み込ませた。
…ああ、柔らかで、温かで心地良い感触だ…。
思わず身体を巴に預けてしまいそうになる。
しかも、優しく包み込みながら、次第に身体を上下させ、じわりじわりと刺激させるのだ。
決して激しくも単調でもなく、おれの反応に合わせて、様々な動きを組み合わせて…。
あ…アタマの中が真っ白になってきやがった。
背筋から腰にかけて、ぞくぞくと痺れに似た快感が駆け巡る。
巴は両の胸を掴みながら、身体をなおも上下させる。
おれのモノの先が、胸の谷間の隙間から顔を覗かせる。
「…う……あぁ…」
その先からじわじわと透明な雫が滲み出し、同時におれ自身堪らなくなり、思わず
小さくのけぞってしまった。
…く…巴のテクニックは…絶品だ。
このまま…出て…。
そう思った瞬間、巴はそっと舌を出し、そのままおれの筒先に絡めた。
愛おしそうに…『ねぶる』ように…だが、どことなく品のある舐め方で、おれのモノの
先端から傘全体を丹念に、舌先全体を駆使して何度も何度も愛撫する。
…気が付くと、巴の舌先が柔らかく、熱く、そしてしとっている事に気付く。
人工の唾液だが…そうと感じさせないばかりか、おれの雫と混ざって、時折り
つっと糸を引いては軽く伸びて消えていく。
「と…とも…え」
巴の舌がカリ口から裏筋へと伸び、さらに傘の裏側から表に向けて、丹念に
愛撫を繰り返される。…いかん!!
「ぐ…」
おれはたまりかねて遂に軽く放ってしまった。
「あん…んん…」
すかさず巴は小さく口を開き、その中に受け止めてくれる。
そして目を閉じ「ん…」と小さく声をたて、こくんとおれの精を飲み下す。
…その時のうっとりした表情といったら…。
…たまらない!…巴…巴…!
これが…おれの大切な…。
そう思った瞬間、今度は、いきなり巴はおれのモノ全体をぱっくりと咥えた。
どことなくとろんとした表情で笑みを浮かべながら…。
そしておねだりするように小さく小首を傾げ、軽く舌で周囲を嘗め回し、そのまま
前後に抽送を始めた。
「…ん…んん…」
咽喉からくぐもった声をたてる巴。
次第に動きが早くなり、しかも筒先から、何かが吸いだされようとしていくのがわかる。
バキューム…フェラ…って…こんな感じなのか?
いや、それより…もっと丁寧な感じもする…が。でも、この刺激は…堪らない!!
熱い…次第におれの腰から巾着袋、筒先へと何かがこみ上がってくる。
肉棒全体が、巴の、その愛らしい口元を通して、その口腔に吸い込まれていくようだ。

…巴は口元をすぼめ、熱く滾った肉棒を前後に動かし、筒先の先端から溢れ出した雫を
一滴残らず絞り出さんとするばかりに、ちゅうちゅうと軽く音を出して吸い出していく。
腔内では、舌先が裏筋から亀頭の先端辺りがちらちらと当たり、更にじわじわ刺激される。
一度放出したばかりなのに、おれのモノは殆ど萎えるどころか再び、ビンビンに、怒張
し続けている。
あ、ち…いけね…。
ま、また…くる…!
うわ!!
「と、巴…うぁ!」
「…ん…ん…んん!」
巴も小さく声を上げる.
再び、おれのモノが、一段と派手にビクンと弾け、巴の柔らかな口の中一杯に、熱いものを
どくどくと注ぎ込んでいた…。

…結局、その後、おれはもう三発、巴の口の中に出してしまった。
それも、巴の優しくも激しいテクニツクで、もうギンギンに勃起してしまい、既に数回目だと
いうのにかなりな量を放ってしまったのだ。
…流石に、最後は、ちょっとくらっとなったが、立ち上がった巴の胸を揉みしだき、乳首から
ミルクとドリンク剤を交互に吸い出して飲み…そのままベッドに腰掛けた。
「…ぼっちゃま…」
口元に付いた白い雫を、軽く舌で絡めとって飲み下しながら、巴が熱を帯びた瞳で言った。
「…あの…あの…ごめんなさい…ごめんなさい…でも…でも、わたし…」
先刻のジェーンではないが、どことなく潤んだ瞳に見え、これが人工のものとは思えない。
「いや…巴は、おれの為にしてくれたんだし…」
「でも…わたしは…メイドロイドなのにぼっちゃまを…」
確かに主導権を握っていたのは巴だった。
巴の想いが伝わってきて、おれ自身が身を任せてしまったのだから。
でも、巴には、自分の立場を逸脱しかけた行為に思えてしまったのかも知れない。

やがて、巴も伏せ目がちに、おれの横にそっと腰掛け、小さく一息つく。
厳密に言うと臭気を排出して、内部を消臭しているのだが…。
さらに…ん…ん…と巴の咽喉から、小さな声に似た音が聞こえる。
…ちなみに、巴の説明では、こういう行為も想定されていて、人工唾液と消毒液が口腔内に
『散布』され、それらをすべて飲み干し、終わった後、キスしても行為の相手の精が残って
不快な感じにしない様な仕組みになっているという。
今はその「洗浄・消毒モード」なのだろう。
でも、その音は、まるでおれの精の余韻を再び味わっている様にも聞こえる。
まあ、本来、フェラ後のキスの問題っていうのは微妙だけども、男にも責任あるわけだけどな…。
…などと、まさに馬鹿そのもののことを一瞬考え、そんな事を色々考えている自分に、やっぱり
ちょっと自己嫌悪する。
でも…。
「ありがとう…巴」
俯いた巴の頬に手をあて、おれは静かに笑いかけた。
ちょっと落ち込んだ様な表情だった巴の瞳が、驚きに見開かれる。
「その…なんだ…とても良かったし…ソソられた…」
何だか言っている順番が逆みたいだが、すればするほど愛おしさが増していったのだから…
ある意味、本音だ。
「ぼっちゃま」
おれを見つめる巴の黒い瞳がやっぱり潤んでいる。
そして、嬉しそうに僅かに目を細め…にこっと笑った。
うん…巴はこの表情が一番だ!
ああ…良い娘だよ、おまえはさ。
たまらなくなったおれは…いつしか少し立ち加減になって、巴の唇にくちづけしていた…。

と…ふいにピーという音がして、唇を離したおれたちは、ちらと時計を見た。
もうこんな時間か。
「あ…炊けちゃいましたね」
巴が悪戯っ子の様な顔で、軽く舌を出した。
「時間…ですね」
おれも、ちょっと気取って片目をつぶり、親指を立ててみせた。
「ああ…よろしくな」
「はいです」
巴はにこっと笑いながら小首を傾げてみせた。
そうだ…やっばり巴には、明るい笑顔が良く似合う。

メイド服を着なおす為に、巴は書斎に姿を消した。
その後姿を見やりながら、おれは改めて自問自答する。
…これって、メイドロイドとの恋…だろうか。
おれの心には、正直、まだ、ちょっと複雑なものがある。
だが…巴には間違いなくおれたちと同じ『心』がある。
心がある者同士が、その心を通わせることに何の問題があるだろう…。
おれは…何があっても、巴を大切に守っていこう…と、改めて心を固めた。

…そして、それが、この後に起こった出来事について、とても重要なカギになるとは、
全く思いもよらないでいた…。

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